COP26: 投資家にとって重要なポイント

本稿は、アクサ・インベストメント・マネージャーズ(アクサ IM)が欧州現地時間2021年11月16日付で配信した英語原文を抄訳したものです。なお、英文の原文と翻訳内容に齟齬がある場合には原文が優先します。オリジナルの英語版はこちらをご覧ください。

地球のためにより持続可能な未来を確保すべく、世界のリーダーが英グラスゴーに集結し開催されたCOP26(第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議)は、「運命の分かれ道」といった印象が色濃くありました。2050年までのネットゼロ実現、パリ協定の最も野心的な目標の達成可能範囲内での維持、コミュニティや自然の生息地の保護、エネルギー移行を支援するための資金動員、各国間で現在進行している協力関係の維持など、広範で挑戦的な目標が数多く議題に挙がりました。

COP26に参加した世界のリーダーは多くの貢献を約束し、人々に同様の行動を求めました。しかし残念ながら、世界最大クラスの汚染大国の指導者は欠席しました。新聞の見出しを飾るにふさわしい発表が数々ありましたが、これらは活動家のグレタ・トゥーンベリの言葉を借りると「口先だけの空約束」になるのでしょうか?

ひょっとすると、一部の有望な宣言内容から、より本格的な政策行動が期待できるかもしれません。特筆すべき発表のひとつは、COP26の終盤に発表された米中による共同宣言です。両国は今後10年間に地球温暖化を阻止するための行動を「強化」し、世界の気温上昇を産業革命前に比べて1.5 ˚Cに抑えるために協力すると約束しました。

「グラスゴー気候協定」の最終案は、約200カ国により調印され、気候変動対策のペースを加速させるものとなりました。各国政府は、来年末にエジプトのシャルム・エル・シェイクで開催される次回のCOP までに、2030年に向けた温室効果ガス削減目標を再検討し、新たな「国が決定する貢献(NDC)」の提出が求められました。従来NDC の次の提出期限は2025年でした。

また、この新しい気候合意には初めて化石燃料の利用削減計画が盛り込まれました。ただし、インドと中国から表現を修正するよう圧力があったため、最終文書では石炭火力発電を「フェーズアウト(段階的に廃止)」ではなく「フェーズダウン(段階的削減)」に向けた取り組みとなったことは遺憾でした。

将来の展望

各国政府が策定した公約は今回初めて、気温上昇をパリ協定目標に近い水準(具体的には1.9 ℃)に抑えるのに十分な数値となったとメルボルン大学が分析したことは、心強い結果です[1]。これはポジティブな材料ではありますが、パリ協定目標の2 ℃より「十分低い」ものではなく、理想の1.5 ℃目標からもかけ離れています。監視機関「クライメート・アクション・トラッカー」はより具体的で短期である2030年目標を分析し、世界が依然として2.4 ˚Cの上昇またはそれ以上に向かいつつあると結論付けました[2]。

COP26で確認された懸念点は、現状では、最大級の炭素排出国に数えられる中国、インド、ロシアが、2050年までにネットゼロを実現するための公約を何ら行っていないことです。これは、今後どれだけ大きな努力が必要となるかを示しており、COP26は、これまでの漸進的な進歩をさらに積み重ねるための中継点に過ぎないことを示唆しています。

本稿ではCOP26の重要なポイントを確認し、投資家にとって何を意味しうるかを見ていきます。

 

[1] Cop26 排出量削減の約束が世界の気温上昇を2C未満に抑える可能性も | 温室効果ガス排出 | ザ・ガーディアン

[2] グラスゴーの2030年1 ˚C信用度のギャップ::気候変動対策に対するネットゼロのリップサービス | クライメート・アクション・トラッカー

 

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