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自動化関連セクターの力強い成長は持続へ

  • 2022年1月12日 (5 分で読めます)

新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)の影響が2年近く続き、打撃を受けている産業がある一方で、ビジネスの新しい現実に急速に適応しようとしている産業もあります。

一部のセクターでは、前例のない事態がかえって戦略モデルを支える推進力となっています。自動化関連セクターは、そうした分野に位置付けられると当社は考えています。

パンデミックが消費者と企業の行動を大きく変容させた結果、いくつかの重要な最終市場でロボットおよび自動化装置への需要が著しく高まっています。そうした領域の一つが倉庫の自動化です。背景には、テクノロジーによる強力なサポートによってのみ達成可能な、迅速で信頼性の高い配送を求める消費者の要求が高まっていることがあります。

こうしたロジスティクスを支える産業ロボットは、パンデミック以前から増加傾向にありましたが、新型コロナによりオンラインで買い物をする人が増えるにつれて、導入ペースはさらに加速しています。以前はeコマースをなかなか活用しなかった企業が、こうした需要に応えるため、今では自動倉庫への投資を強化する必要があります。この状況は今後、自動化関連業界に長期にわたる力強い成長をもたらすと当社は考えています。

当社は、KIONグループとダイフク(マテリアル・ハンドリング・ソリューション)、コグネックスとキーエンス(ビジョンシステム)、オカド・グループ(オンラインスーパーの自動化ソリューション)などの銘柄を通じて、このセクターに長い間投資してきました。2021年には、自動化へのエクスポージャーも持つ2社をポートフォリオに追加しました。それはGXOロジスティクス(自動倉庫のスペシャリスト企業)とオートストア(倉庫ロボットシステム)です1

インフレなどの事業拡大のチャンス

注目すべきは、インフレ率の上昇が引き続き主要な議論の対象になっており、そして世界経済の至るところで賃金が急上昇しているため、労働力が大きな課題として倉庫・ロジスティクス分野全体に広がっていることです。基本的に適切な労働力を雇用できない場合、または労働コストが増加している場合、自動化投資はいっそう魅力的なものとなります。自動化導入の経済性が説得力のあるものになり、自動化可能な対象の範囲を広げるテクノロジーの進歩と相まって、自動化関連設備への需要を持続させると当社はみています。

なお、労働力不足と賃金の上昇は、倉庫以外の多くの分野にも影響を与えています。米国の求人労働異動調査(JOLTS)によると、米国の求人件数はパンデミック前が月平均平均600万~700万件だったのに対し、現在は約1,100万件です2 。こうした高水準の求人件数は、企業が従業員をなかなか見つけられないことを示しています。多くの業界、特に製造業などの分野で、労働力不足が自動化の投資機会をもたらしています。労働力不足が続く間は、これが自動化需要の主要な原動力であると当社はみています。

さらに、パンデミックは世界中の医療制度に大きなダメージを与えており、各国政府は医療インフラへ長期にわたり十分な資金を投じてこなかったことを認めています。当社は、各国政府が新型コロナウイルス収束後の医療体制を見直す中でテクノロジーと効率性への関心が高まり、その恩恵を受けるのがデジタル医療と手術支援ロボットだと考えています。

手術支援ロボット市場はすでに非常に大きく、支援ロボットによる外科手術件数が2020年に120万回を超えました(2021年は前年比27〜30%増となる見通し3 )。市場リーダーであるインテュイティブ・サージカルなどの革新的企業や、脊椎治療ソリューションを提供する筋骨格インプラントに注力するグローバスメディカルなどの規模の小さい企業が存在します。

長期的構造トレンドは継続

世界的なパンデミックという困難な状況下にもかかわらず、自動化関連セクターはDisruptor(創造的破壊者)であり、しかもまだ揺籃期にあります。このことは、同セクターが今後大きく成長する可能性があることを示唆しています。例えば産業用ロボットの世界出荷台数は1993年から2008年までの間に年平均5%のペースで増加しましたが、2010年から2024年までの年平均増加率は11%に加速すると推定されています4

当社は、現在の産業活動の状況と産業用ロボットメーカーの好調な受注を、出荷台数が2022年にかけて回復し続ける良い兆候と考えています。出荷台数の最近の増加は、パンデミックの影響から他の市場よりも早く回復した中国に牽引されていますが、こうした需要の強さが欧州と日本に広がっていることを示す兆候が増えています。

しかも、2019年から2020年に起こった米中貿易戦争の後の繰り延べ需要という要素も顕在化しています。こうした回復の兆候は、企業が新型コロナに直面して投資計画を先送りする前の2019年末と2020年初めに現れ始めていました。この繰り延べ需要が顕在化し始めた場合、産業活動と設備投資がより長期にわたって増加し、自動化分野のさまざまな企業を支えると考えられる可能性があります。

  • 企業への言及は説明のみを目的としており、投資推奨ではありません。
  • 出所:ブルームバーグ(2021年10月31日付)
  • インテュイティブ・サージカル/アクサIM
  • アクサIM/IFR World Robotics 2021

 

アジア主導の成長

業界団体である国際ロボット連盟(IFR)が公表した最新の年次報告書によると、全世界の工場で現在稼働している産業用ロボットは過去最高の300万台に達し、前年比10%増加しました。新型コロナの影響にもかかわらず、2020年は世界で約38万4,000台が出荷されました。しかも昨年は業務用サービスロボット(例えば手術、清掃、消防を支援するロボット)の市場規模が前年比12%増の67億米ドルに達しました5

アジアは引き続き世界最大の産業用ロボット市場となっています。昨年新たに配備されたロボットのほぼ4分の3(71%)がアジアで設置されました。IFRのデータによると、中国の出荷台数は前年比20%増の16万8,400台となり、単一の国としては過去最高を記録しました。運転在庫は同21%増の94万3,223台に達し、2021年に100万の大台に乗ると予想されています。IFRは、世界全体のロボット設置台数が2021年に同13%増の43万5,000台となり、2018年に記録した過去最高を上回ると予想しています。

地域別に見ると、北米の2021年の設置台数は前年比17%増の約4万3,000台と予想されていますが、欧州では同8%増の7万3,000台弱と予想されています。アジアのロボットの設置台数は同15%増の30万台超と予想されています。さらにIFRは、今年はほぼすべての東南アジア市場が2桁台のペースで成長すると予想しています6

  • World Robotics 2021 ― サービスロボットに関するレポートを公表、国際ロボット連盟(ifr.org)
  • IFRがWorld Robotics 2021レポートを公表、国際ロボット連盟

多様な投資機会

自動化関連セクターの高い成長率が長期にわたり継続し得ると当社が考える主な理由は2つあります。それは、人口動態の変化とテクノロジーの進化です。人口の高齢化と生産年齢層の減少によってロボットの必要性が高まっています。このことは、日本だけでなく、製造業の人件費が過去21年間に年率12%のペースで上昇している中国でも事態が同様なため、コスト削減のための技術導入がますます重要になっています7  。基本的に人件費は、特に若い世代が望まない価値が低くて反復的な作業で上昇しています。一方、ロボットは低価格化が進み、しかも柔軟性が増しています。労働人口が縮小する中でのこうした状況は、ロボットがさらに採用される非常に大きな可能性をもたらしています。

技術の進歩に関しては、ソフトウェアの改善によりビジョンシステムの導入が進んでいます。これは、自動化可能な業務範囲が急拡大していることを意味しており、これまで未開拓だった広大な事業領域が、自動化可能になりつつあります。例えば、食品加工、電子機器、一般製造などの市場で新技術が成長する可能性が大いにあります。

さらに、過去10年間で高度なセンサーとマイクロプロセッサーが開発されたことで、人と一緒に作業できる協働ロボットの導入も可能になっています。一方、5Gの普及により、産業用機械と工場はこれまで見られなかった方法で接続されるようになります。当社は、5Gの導入が今後3〜5年でますます進むと予想しており、5G関連には大きな投資機会があると考えています。

長期的な成長の可能性を享受しているもう一つの分野が電気自動車(EV)セクターです。車両コストが低下し、バッテリー技術が向上し、人々が環境のトレンドに注目するにつれ、EVは消費者の多くの関心を集めています。同時に、新型コロナ収束をにらんだ景気刺激策の重要な特徴の一つが環境技術への投資であり、こうした刺激策はEV業界も下支えしています。EVとバッテリーの製造には莫大な投資が必要であり、企業は現在、12〜24カ月後に生産する自動車に資金を投じています。当社の見解では、産業用ロボット、レーザー、ビジョンシステムなどの設備を供給する企業の見通しが著しく改善しています。

2022年以降の見通し

自動化関連セクターは非常に多様で、拡大し続けており、外科手術、マシンビジョン、倉庫の自動化、自動運転車など、主要分野で広がっています。今後を見わたすと、当社は引き続き、自動化関連産業は進化の初期段階にあり、非常に多様な要因が成長見通しを支えると考えています。

そして2022年には、インフレ圧力とサプライチェーン問題が、企業経営と経済の特定領域における労働力不足に影響を及ぼし続け、賃金の上昇圧力によりロボット関連需要がさらに底上げされると当社は引き続き考えています。

ロボットと自動システムは最終的に大きな経済効果をもたらす可能性があります。ある分析によると、ロボットの設置台数を30%増やすことによる世界経済への寄与は、2030年までに年間4兆9,000億ドルに達する可能性があります8

部品製造から、製品が最終消費者の手にわたるまでの間に適用可能なロボット関連企業が非常に多いことを考えると、自動化分野は依然として多くの投資機会を持つ広大な領域であり、そうした投資機会のすべてが長期的な構造的トレンドによって支えられています。

  • バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ・テーマ別投資、ロボット・リボリューション ― グローバル・ロボットおよびAIの基礎知識(2015年11月)、オックスフォード・エコノミクス。ベレンベルク調査、国連世界人口推計(2015年)
  • 英国の産業におけるロボティクスとオートメーションの経済的影響(publishing.service.gov.uk)
自動化関連セクターの力強い成長は持続へ
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