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クリーンテック戦略月次レター:エネルギーの自立が重要に

  • 2022年4月8日 (3 分で読めます)

クリーンテック戦略月次レター(2022年3月の振り返り)

エネルギーの自立が重要に

ウクライナ危機により安全保障面からエネルギー移行加速の必要性が浮上、再生可能エネルギー拡大などで大規模投資へ

3 月の世界株式市場は、月前半に下落したものの後半にかけて回復基調に転じ、月間ではプラスのパフォーマンスとなりました。クリーンテック戦略ポートフォリオの当月のパフォーマンスは、エネルギー安全保障の確保にはエネルギー移行の一段の加速が必要であることを市場が認識し始めたことから、世界株式(MSCI ACWI、米ドルベース)を上回りました。主として北米や欧州の保有銘柄の株価が上昇したことがプラス寄与となった他、為替市場で主要通貨に対して円安が進行したことがプラス寄与となりました。

新たなエネルギーインフラ構築が必要

ロシアによるウクライナ侵攻により、エネルギー自立問題が欧州の最重要課題として浮かび上がりました。この問題を解決するには、再生可能エネルギーや電気自動車などの分野に多額の投資が必要となります。新たなエネルギーインフラとして、スマートグリッド、国境をまたがるエネルギー供給網の拡大、再生可能エネルギー発電能力の増強、エネルギー効率化、エネルギー貯蔵などが必要とされます。輸送システムは、化石燃料から電気自動車、バイオ燃料、グリーン水素などのソリューションの組み合わせへのシフトを迫られています。これらのエネルギー移行を実現するためにテクノロジーが欠かせず、能力増強のために大規模な投資が行われようとしています。

欧州連合(EU)ではすでにエネルギー移行に対するコミットメントを強化しており、これまで投資計画の実行スピードを遅らせるボトルネックとなっていた複雑な認可や行政手続きの簡素化が期待されます。また、エネルギー価格の高騰を受け、消費者および企業から、エネルギー効率化、住宅用および商業用再生可能エネルギー発電・蓄電設備、電気自動車への需要が高まっています。これらのニーズもスマートエネルギーや低炭素輸送分野の見通しに更なる追い風になると見られます。

エネルギー安全保障の観点から、再生可能エネルギーやスマートグリッド、エネルギー貯蔵などのエネルギーインフラの必要性が高まっています。

2022年はエネルギー移行にとって重要な年に

2022年は世界的にエネルギー移行にとって重要な年となりつつあります。欧州では、欧州気候法の枠組みにおける「温室効果ガス55%削減目標(Fit for 55)」やEUタクソノミー(EUにおけるグリーンな経済活動と投資を分類する枠組み)の進展が見られます。中国は、2030年までに二酸化炭素(CO2)排出量をピークアウトさせ、2060年までにネットゼロを実現する目標を掲げ、施策を展開しています。そして世界中の企業が目標達成に向け大きな一歩を踏み出しており、中でも米国企業の前進が顕著となっています。ロシア/ウクライナ間の危機はエネルギー自立の重要性を強く認識させ、各国政府やエネルギー事業関係者の決意を一段と強めました。

3月下旬には、EUのフォンデアライエン欧州委員長と米国のバイデン大統領は、エネルギー分野での協力拡大で合意しました。ロシアに圧力をかけるため、米国がEUに液化天然ガス(LNG)の供給を拡大し、EUのロシアへの化石燃料の依存度を下げるのが狙いです。米国とEUはまた、クリーンエネルギーの普及やクリーン水素製造などでも協力を打ち出しました。

成長機会は今後数十年にわたり持続へ

必要とされるエネルギー移行を実現させるにはクリーン・テクノロジー・ソリューションへの相当額の投資が要求され、当戦略にとって成長機会が更に数十年にわたって持続するものと考えられます。クリーン・テクノロジーに対する旺盛な需要は、エネルギー安全保障への関心の高まりも支えとなって、更なる技術革新を促進し、当戦略の投資対象分野の成長可能性を拡大させることになると見られます。

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の4月上旬の発表によれば、世界の気温上昇を産業革命前に比べて1.5度以内に抑えるためには、世界の温暖化ガス排出量は遅くとも2025年には減少に転じさせる必要があります。そして、排出量を2030年に半減するには今後最大で30兆ドルの投資が必要とIPCCは指摘しています。

2021年のCO2排出量は過去最高

なお、国際エネルギー機関(IEA)は3月上旬、2021年のCO2排出量が前年より20億トン以上増え363億トンと過去最高になったことを発表しました。新型コロナ・パンデミックからの景気回復により、新興国を中心にCO2を多く排出する石炭の消費が急増したことが主因です。ロシアへのエネルギー依存度を低下させるために、短期的に石炭火力を復活させる計画が欧州ではありますが、世界的なCO2排出を加速させるおそれがあります。アクサIMの最高投資責任者クリス・アイゴーは、ロシアの行動により石炭などの化石燃料プラントが再稼働し、持続可能なグローバル経済へのシフトのスピードと質が損なわれるようでは、環境にとって致命的な事態になりかねない、と指摘しています。アイゴーのコメンタリー「ウクライナ侵攻のインパクトはネットゼロの推進力に」をご覧ください。

ポートフォリオの動向

スマート・エネルギー関連分野では、ネクステラ・エネジーなどの再生可能エネルギー電力会社、シュナイダー・エレクトリックなどのスマートグリッド供給業者などエネルギー移行から直接恩恵を受ける企業がプラス寄与となりました。エネルギー効率化ソリューションを手掛けるアメレスコは、エネルギー価格高騰を受けてエネルギー使用を削減する必要性の高まりが認識され、堅調なパフォーマンスとなりました。

持続可能な食糧供給関連分野では、肥料を含む農産物の価格上昇を受けて精密農業への需要が高まり、肥料などの使用を削減するソリューションを提供するディアがプラス寄与となりました。また、使用済み食用油からバイオ燃料を製造するダーリン・イングレディエンツも、従来型燃料の供給に混乱が生じる中、堅調なパフォーマンスとなりました。

一方、ヴェスタス・ウィンド・システムズ、シーメンスガメサ・リニューアブル・エナジーなどの風力発電設備メーカーは足元の原料コスト高騰に直面し、相対的に低いパフォーマンスとなりました。しかし、ヴェスタスは、風力発電設備新設の強いニーズを背景に、既に顧客企業から製品値上げに対する同意を取り付けています。エネルギー移行に対する強い意欲に変わりはなく、同分野の長期的な見通しは良好であると見ています。

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