市場が乱高下すると投資家は不安になります。しかし、それを避けるために投資を中断したり再開したりすると、長期リターンに大きな悪影響を及ぼす可能性があります。

市場の変動を予想することは不可能であり、誰も市場の上昇や下落のタイミングを正確に予想することはできません。そして、下落局面や上昇局面で適切ではない売買を繰り返すことで、最も大きなリターンを上げた日々を逃す可能性があります。

長期保有の投資スタンスを堅持していれば、相場が荒れた時でもパニックに陥って売買することがないので、リターンを犠牲にせずに済むと考えられます。

過去の実績は将来の運用成果の指標とはなりませんが、それでも、40年前にMSCIワールド・インデックスに1,000ドル投資し、そのまま保有していた場合、現在では34,527ドルに達していることになります。しかし、投資を中断したりしてリターンが最も大きかった5日間を逃していた場合、投資累積額は24,060ドルとかなり低くなってしまい、投資を継続していた場合と比べると1万ドル以上の差がつきます。1

長期投資により、投資家は資産を最大限増やすことが可能です。仮に下落局面があったとしても、投資を続けることで、長期的には投資好機を享受し回復できるでしょう。

複利の効果

長期投資の主な強みの一つは、複利の力を十分に活用できることです。

基本的には、当初投資額に配当や利子が加わって再投資され、運用額が膨らむことで投資累積額が拡大するものです。なお、配当は保証されたものではなく、業績に応じて変動する場合があります。

複利は長期投資の運用リターンを大きく押し上げる力があり、物理学者のアインシュタインをして複利は「数学上で最も偉大な発見」と言わしめています。2

市場の変動を味方につける

長期投資スタンスで常に臨める投資家は、株式市場の乱高下に一喜一憂せず、むしろ市場の変動を味方につけることができます。

資金を徐々に株式市場に投入することで、いわゆる「ドルコスト平均法」の恩恵を受けられます。これは、定期的に一定額を投資することで、株価が安い時には多くの株式を購入し、株価が高い時には少ない株式を購入します。これにより長期的なリターンを高めることができます。

たとえば、1,000ドルの資金があり、一度に投資する場合、株価10ドルの株を100株買えます。しかし、100ドルずつ10カ月かけて株を購入する場合、仮に株価が下落した時には多くの株を買えるため、100株以上買うことができます。

もちろん、購入期間に株価が上昇した場合、購入株数は減ります。それでも大事なことは投資規律を維持することです。つまり、株価の変動にもかかわらず、毎月株を購入する投資スタンスを崩さないことです。

投資目標を堅持する

長期投資によって最も良好なリターンを得られる可能性が高まります。しかし、市場の下落が続いた場合、投資家は神経質になってしまいがちです。

投資家は、忍耐強い投資はいずれ報われるとの想定の下、投資目標および投資する理由を堅持すれば、市場の変動が大きい時も乗り切ることができるでしょう。

それでも投資には保証はありません。このため、適切な投資が明確ではない場合、投資を進める前に経験豊かな専門家に相談すべきでしょう。

1 ブルームバーグ、データストリーム、AXA-IMリサーチ。2018年12月までの40年間のMSCIインデックスを計算。パフォーマンスには配当の再投資を含む。
2 The Motley Fool,  Change your life with one calculation