アクティブETF: 投資環境において高まる重要性
アクティブ運用の上場投資信託 (ETF) は、投資環境に一段と組み込まれつつあります。これは、ETFの特性と進行する資産運用のデジタル化を考慮すると、今後も急速に進むと予想されます。
世界のETF市場は拡大傾向が続いており、コンサルティング会社PwCは、2026年までには運用資産額が20兆ドル(約2,800億円)を突破すると予測しています。これは2021年に記録した10兆ドルから倍増することになります。1
現在、この市場の大部分はパッシブETFで構成されていますが、アクティブETFの成長可能性は非常に大きいと考えています。
アクティブマーケット
アクティブETFは、ETFラインナップの中でベンチマークをアウトパフォームすることを目的としており、インデックスではなく、モデルポートフォリオを反映させます。実は新しいものではなく、2008年頃から存在していたのですが、ここに来て急速に投資家の関心が高まっています。
アクティブETFは現在、世界のETF市場の3%、約3,000億ドルを占めています。2 アクティブETFの規模はまだ比較的小さいものの、2019年集計の2倍です。なお、モーニングスターによると、アクティブETFは全アクティブ運用ファンドの2%しか占めていないものの、2021年のアクティブファンドへの資金流入の35%を占めています。3
アクティブETFは目覚ましい成長を遂げています。経済の不透明感やボラティリティに引き続き市場は苦慮しており、このような状況下では、投資家は難しい環境を乗り切るためにアクティブETFを求める傾向が強いと思われます。
サステナビリティとテーマファクターへのアクセス
アクティブETFの大きな魅力は、ベンチマークにとらわれず、ETFの枠組みの中で様々な投資テーマにアクセスできることで、例えば、責任投資能力といった付加価値を投資家にもたらすことです。
また、投資家が運用目的と並行して、責任投資をますます重視していることから、サステナビリティ(持続可能性)を対象としたアクティブETFは特に注目すべき分野と考えています。
同様に、デジタル化や人口動態などの長期的なトレンドに注目したテーマ型アクティブETFも増えており、人気を集めています。PwCの調査によると、サステナビリティに焦点を当てたETFを含むテーマ型ETFは、分析したすべての市場において、今後2~3年間に予想される投資家需要の観点から1位または2位にランクされていることが判明しました。4
流動性とデジタル化
アクティブETF市場の成長を牽引している要因は、この分野の技術革新だけでなく、今後も続くと思われる他の要因もあります。
ETFは、流動性が高く、日中取引が可能なため、柔軟性を必要とするお客様に、より適したサービスを提供できます。また、ほとんどの市場で保有銘柄が毎日発表されるため、透明性も高くなっています。
また、長期的なトレンドであるデジタル化の進展は、私たちの日常生活のほぼすべての場面で見られることであり、資産運用業界もその恩恵を受けています。オンライン証券プラットフォームの登場、金融仲介機能の排除、ブロックチェーン技術などにより、資金流通のあり方が大きく変わりつつあり、資産運用業界のデジタル化の進行も大きな成長要因となると考えています。
当社は、ETFは多くの投資家の将来ニーズに応えられると考えており、市場動向を見てもそれは明らかです。アクティブETFは今後、投資家のポートフォリオの中でますます重要な位置を占めるようになると思われます。
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