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Investment Institute
年間見通し

2024年の見通し:世界の成長は鈍化、債券で高いリターンを見込む

  • 2023年12月11日 (10 分で読めます)

主なポイント:

  • 2024年について当社グループは、成長の鈍化、インフレ率の低下、限定的な利下げを予想しています。2024年の世界のGDP成長率は2.8%と、今年の3.0%成長見通しから減速しますが、2025年には加速すると見ています
  • 2024年は重要な政治の年です。11月の米大統領選が世界的に最も重要と思われます
  • 債券は、大幅に上昇した利回りを背景に比較的高いトータル・リターンを実現する可能性があります。利回りや金利が低下すれば株式も勢いを維持できるかもしれませんが、企業業績の成長は、2023年に比べて難しくなる可能性があります

2023年を金融引き締めに直面しながらも底堅かった経済と表現するならば、2024年を特徴づけるのは成長の鈍化でしょう。当社グループは、世界経済の成長率が2023年の3.0%から2024年には2.8%に低下すると見ています。

2023年に市場で予想されていたリセッション(景気後退)は起きませんでした。当社グループは、大きなショックがない限り、リセッションが今後1年以内に起きるとは予想していませんが、インフレの鈍化を背景に主要中央銀行が金融政策を緩和する可能性が高いと見ています。当社グループは、「高くより長く」という金利環境にあり、政策当局者の多くは新たな緩和策に踏み切るというよりも、金融引き締め策を徐々に緩める、という姿勢であろうと考えています。

比較的高い金利や地政学的緊張、そして11月の米国大統領選挙など、いつもと同様に投資家が考慮すべき問題には事欠きません。

しかし、現状は経済の再調整と思われます。そして、私たちがこれから目にすることになるのは、景気サイクルの終わりの急落ではなくサイクル半ばの緩みであり、それは最終的に2025年の再加速につながり、世界の成長率は3.0%に達すると予想されます。


資産クラスの概要

2024年に向かう中で、投資家には2つの疑問が浮かんできます。債券は値下がりし続けた流れから脱却できるのか、株式は勢いを維持できるのか、という疑問です。当社グループは、どちらも可能であると考えています。しかし、債券のパフォーマンスが株式を上回る可能性はここ数年よりも高いと見ています。

投資家は多くの問題に直面していますが、当社グループは、楽観的になる為の十分な理由があると考えています。2023年の債券のリターンは決して素晴らしいとはいえないものですが、利回りが数年ぶりの高水準に急上昇したことで、今後、比較的高いトータル・リターンを実現する可能性があります。同様に、社債はより穏やかな金利見通しから恩恵を受けるとみられます。現在、投資適格社債はユーロ建てで4%、米ドル建てで6%と相対的に魅力ある利回りを提供しています。[1]

当社グループとしては、株式の強気相場が続いていることを軽視することはできません。金利と利回りが次第に低下し、同時に経済成長が続くならば、2023年を特徴付けた株式の勢いが持続する可能性があります。しかし、GDP成長率の鈍化とインフレ率の低下によって、企業業績が予想に達しないリスクがあり、そうなれば、特に、米国株式は他市場に比べてバリュエーションが高くなっているために、株価の上昇が制限される可能性があります。

アクサIMのChris Iggoコア・インベストメントCIO兼資産運用研究所所長は次のように述べています。「金利と債券利回りの若干の低下による緩和的な金融環境と、プラスの実質成長率の継続によって、株式に対する強気のセンチメントが維持される可能性があります。」

「これに、人工知能とその成長促進力に対する足元の期待を加えるならば、株式市場の一部の銘柄は引き続き業績の力強い伸びと投資家への高いリターンを達成する可能性があります。しかし、株式市場の大部分の銘柄にとって、マクロ環境は企業業績を伸ばす上で障害となると思います。」

「2023年の債券パフォーマンスは期待外れでしたが、デュレーションの短い社債と長期投資のテクノロジー株に重きを置いたポートフォリオであれば、パフォーマンスは非常に好調だったと思われます。米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げへと方向転換するまで、このバーベル戦略(対照的な資産を組み合わせて運用する投資戦略)の好調は続く可能性があります」。

2024年について、適度な名目成長見通しに基づく適度な投資リターンが当社グループの予想の中心です。当社グループは株式よりも債券のリターンが優位と見ています。それは、債券でリスク・プレミアムが得られるようになった一方、株式のリスク・プレミアムは縮小してしまったと考えているためです。

また、株式と比べた金利の相対的インプライド・ボラティリティ(予測変動率)も、債券に対する強気の見方を裏付ける指標となっています。また、金利がピークに達しインフレ率が低下すれば、金利をめぐる不確実性は後退すると考えられるので、利回りは低下する方向にある、と見ています。
 


[1] ICEBoA社債指数参照、 2023年11月22日現在


以下では、主要な国・地域の2024年から2025年にかけての見通しの概要を説明します。

米国

2023年の米国経済は、市場で広く予想されていたリセッションに悩まされることなく、2.3%の成長軌道を上回るペースで成長しています。しかし、2024年には、この世界最大の経済大国はリセッションを回避するものの減速し、GDP成長率は1.1%になる見通しです。その後、2025年には1.6%に上昇する見込みです。インフレ率は、労働市場の需給緩和と構造的な改善により、2023年に平均4.2%、2024年に同3.2%、2025年に同2.7%に低下すると、当社グループは予想しています。当社グループは、政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利が現在の5.25%-5.50%の水準でピークに達したと考えており、2024年には6月以降に75ベーシス・ポイント(bp)の利下げ、2025年にはさらに2度の利下げが実施され、2025年末までにFF金利は4.25%になると予想しています。世界的に2024年は重要な選挙が続く年となりますが、その中でも米国大統領選が最も重要と思われます。

ユーロ圏

経済の低迷は長引きそうです。ユーロ圏経済の成長率は、需要の減少と失業率の緩やかな上昇を背景として、2023年は0.5%となり、2024年に0.3%へ減速した後、2025年に0.8%まで上昇すると予想しています。インフレ圧力の緩和に伴い、購買力が相対的に増加して、消費が促進される為、景気後退リスクが軽減されると見込んでいます。インフレ率は2024年に平均2.7%、2025年に同2.2%となり、2025年には欧州中央銀行(ECB)の目標である2.0%に達すると当社グループは予想しています。ECBの預金ファシリティ金利(中央銀行への預金金利)は4.0%でピークに達しており、少なくとも2024年6月まで据え置かれ、その後2025年末までに2.75%になると見ています。  

中国

コロナ禍から抜け出た初めての年となった今年初頭では経済活動は低調でしたが、中国当局の強力な対策により、同国の2023年の経済成長目標である「5%前後」は達成される見通しです。経済は今後、中央政府の動きによって大きく左右されると思われますが、2024年の四半期ごとの成長ペースは年間で4.5%に低下するとしても、景気刺激策によって底上げされる見通しです。2025年に入ると4.2%に減速すると見ています。中国の財政政策やインフラ支援策への依存は経済の不均衡をもたらしています。長期的な改善には市場主導の構造改革が必要です。発表された景気刺激策による景気押し上げ効果は、2025年には弱まり、将来の不均衡につながる可能性があります。

英国

英国にとって2023年の一年間は厳しい状況が続き、2024年には景気後退の瀬戸際に立つとみられます。今年のGDP成長率は0.5%、2024年は0.0%となり、2025年に入り0.5%へ緩やかに上昇すると、当社グループは予想しています。政策金利は5.25%でピークに達した可能性が高く、当社グループは、イングランド銀行が2024年に利下げを行い、2025年半ばまでに政策金利を3.75%にすると予想しています。これは、市場が現在予想しているよりも大幅な低下です。それでも、住宅ローン金利の上昇を含め、これまでの金利上昇が遅れてもたらす効果により、2024年を通じて金融環境はひっ迫化します。過去12か月間でインフレ率は11.1%から4.6%に低下しました。軟調な個人消費を主な要因として、2023年のインフレ率は平均7.5%、2024年は同3.1%、2025年は同1.8%になるとみられます。

日本

数十年にわたるデフレとの戦いを経て、日本は転換期を迎えようとしています。持続的な賃金上昇の兆しが見られることから、インフレ率は2024年に平均2.2%、2025年に同1.6%になると予想しています。経済成長は鈍化する可能性が高いと思われますが、他の先進国と比較すると好調に推移する見通しです。政府の手厚い景気刺激策に支えられて、2023年、2024年、2025年のGDP成長率はそれぞれ1.9%、1.2%、1.0%になると予想しています。日銀は2024年4月頃に8年間続いたマイナス金利政策に終止符を打ち、政策金利を10bp引き上げて0.0%とし、同時にイールドカーブ・コントロール(長短金利操作:日銀が長期金利と短期金利の誘導目標を操作し、金利全体を適切な水準に維持すること。)も終了すると当社グループは見ています。ただ、日銀は慎重姿勢を維持する可能性が高く、2025年末までに政策金利を0.25%に引き上げると見ています。

新興国

新興国は、構造的には比較的健全な基盤に立っており2023年には経済が回復力を示しましたが、2024年は世界経済の減速と金融環境のひっ迫化が逆風となる可能性が高いと見ています。新興国全体としてGDP成長率は2024年で4.0%、2025年で4.1%と予想しています。しかし、この加速の大半は比較的経済規模の小さい国のものであり、大きい国については2024年に成長が鈍化する可能性が高く、その後2025年に安定すると見ています。それぞれの中央銀行が慎重に金融政策を緩和することで、スピードは様々ながらインフレ率は向こう2年間で中央銀行の目標値に達する見込みです。2024年に行われる選挙では、貿易や投資への影響力の点で米国の選挙が最も重要と考えられますが、新興国の多くでも選挙が行われる予定です。

カナダ

2023年のカナダ経済は、当社グループが予想したよりも好調でした。しかし、第2四半期(4~6月期)以降、成長は停滞しており、リセッションの瀬戸際にあります。金利上昇が遅れてもたらす効果が重要なリスクとなっており、カナダ国民は、この引き締め政策がもたらす影響を正面から受けることになります。インフレ率は概ね期待通りに低下しましたが、コアインフレ率は高止まりしています。当社グループは2023年、2024年、2025年のインフレ率をそれぞれ平均4.0%、3.2%、2.6%と予想しています。単位労働コストの上昇が、2%目標の達成を難しくすると見ています。当社グループは、2023年、2024年、2025年のGDP成長率をそれぞれ1.1%、0.5%、1.7%と予想しています。政策金利は5.00%でピークに達した可能性が高く、先送りされていた金融政策緩和サイクルが2024年7月から始まり、2025年7月までに政策金利は3.50%になると見ています。


市場の回復

2024年は、多くの面でパンデミックの後遺症とその後のインフレの急上昇から回復する年になると見ています。投資家にとっては、いわゆる「より高くより長く」という金利のニューノーマル(新常態)に順応する年になります。しかし、この再調整を経て、世界経済は2025年からより大きな成功とより力強い成長へ向かうものと期待されます。

いつもと同様ですが、特に地政学的状況や予定されている選挙戦を考えると不確実性は至る所にあり、とりわけ米国でそれがあてはまります。しかし、投資機会は株式市場、また、とりわけ債券市場に存在します。ただし、2024年は投資家の機敏性とアクティブ運用が決定的に重要になると考えています。

金利上昇が特に債券市場でより大きな金利収入の機会をもたらす一方、最終的に起きる金融緩和は特に株式市場で価格上昇に向けた環境を整えるとみられます。年前半のインフレ動向とそれに中央銀行がどう反応するかが、投資リターンの変動と最終的な水準を決定するカギになると見ています。

(オリジナル記事は11月30日に掲載されました。こちらをご覧ください。)

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