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アクサIM、投資先企業に環境・社会問題のさらなる配慮を促す新たな議決権行使方針を発表
本プレスリリースは、アクサ・インベストメント・マネージャーズ(アクサ IM)が欧州現地時間2022年4月21日付で配信した英語原文を抄訳したものです。なお、英文の原文と翻訳内容に齟齬がある場合には原文が優先します。
- アクサIMのコーポレートガバナンスおよび議決権行使方針にESG要件を追加。コーポレートガバナンスにESG課題をさらに組み入れ。
- 企業との対話およびエンゲージメントは、議決権行使と同様に引き続き重要な優先事項。
- コーポレートガバナンス&スチュワードシップチームを増強
アクサ・インベストメント・マネージャーズ(アクサIM)は、投資先企業に環境・社会問題へのさらなる配慮を促すことを目的とした、新たな議決権行使方針を発表しました。
アクサIMの議決権行使方針は、以下の3つの一般原則を軸としています。
- 棄権をせず(除く例外的状況) 2021年には、年次株主総会の98%(合計5,546)で議決権を行使しました。
- 経営陣へのサポート アクサIMは、トランジション・リーダーとして、重要な問題が発生した場合や、あらかじめ定められた限度を超えた場合を除き、経営陣の提案に対して賛成の議決権を行使し、投資先企業へのサポートを目指します。企業の移行の進展に関する懸念が確認された場合は、経営陣に対して反対票を投じ、株主決議を支持し、あるいは共同提出することもあります。2021年に当社は、59%の総会において、少なくとも1つの決議案で経営陣に反対票を投じました。当社の「反対」議決権行使は、特定の分析に基づき、ケースバイケースで行われます。
- エンゲージメント アクサIMでは、いくつかの要因に基づき、反対票を投じる前にベストエフォート・ベースでエンゲージメントを行います。2021年には245社に対してエンゲージメントを行い、気候変動対策が全エンゲージメントの33%と最も高い割合を占めています。エンゲージメントの80%以上が国連の持続可能な開発目標(SDGs)に関連したものでした。
今年から、アクサIMの議決権行使方針の中で検討・実施される新たな要件は以下の通りです。
- 取締役会:取締役は、長期的に持続可能な価値創造を可能にするために、環境および社会問題の管理に関する経験と実績を有している必要があります。
アクサIMは、企業の指名委員会の取締役選任アプローチを理解するためにエンゲージメントを行います。特定の分析を通じて、取締役会が環境および社会的責任を適切に管理していないことが判明した場合、取締役人事、指名委員会委員長、または関連する取締役に反対票を投じます。
さらにアクサIMは、取締役会においてジェンダーのみならず、他のダイバーシティも重視しており、米国および英国の大企業に対しては、取締役会に民族的ダイバーシティがない場合、指名委員会委員長の再任に反対票を投じます。 - 報酬方針:シニアマネジメントの賞与や長期インセンティブプランには、明確なESG要素が含まれていなければなりません。
アクサIMは、重要業績評価指標( KPI) の選択を慎重に評価します。KPIは具体的かつ適切なもので、明確に伝達できる必要があります。当社 は、選択された基準を理解するために企業との対話を行い、基準がない(または不適切な)場合に、報酬方針に反対票を投じます。 - 気候戦略:気候問題に直面するセクターの企業は、短期、中期、長期の炭素排出削減目標を含むネットゼロ・エミッション戦略、および気候戦略に沿った役員報酬方針を有していなければなりません。これらの要件が欠如している場合、アクサIMは、経営陣、取締役会会長、CEOに対して反対票を投じることがあります。
- 財務および非財務報告:サステナビリティ情報報告のための国際的なフレームワークの採用、および過去のパフォーマンスを反映したサステナビリティ報告が求められています。これらの要件が欠落している場合、アクサIMは決算に反対票を投じます。
さらにアクサIMは、投資先企業の気候変動戦略における移行計画の整合性を評価し、年次株主総会において、中間的な目標達成状況を報告するよう要請します。
アクサIMのRIコーディネーション&ガバナンス・ヘッドであるクレマンス・ウモー(Clémence Humeau)は、次のように述べています。「より環境に優しく持続可能な世界への移行に向けた資金調達において重要な役割を果たすために、当社は投資家としてエンゲージメントを行い、そして議決権を行使することが、投資先企業の意思決定やロードマップに影響を与える基本的なポイントとなります。当社の議決権行使方針に新しいESG要件を含めることで、ESGに対するコミットメントと目標が明確な企業に資本を確実に配分できるようになります。」
さらに、アクサIMは上述の取り組みをサポートするために、コーポレートガバナンス&スチュワードシップチームにおいて3名の人材起用を発表しました。
- エロイーズ・クロー(Héloïse Courault)を、シニアコーポレートガバナンス&スチュワードシップアナリストに任命。パリを拠点。スクエアウェル・パートナーズのESGリサーチ部門の共同ヘッドを経て、アクサIMに入社。国際コーポレートガバナンスネットワーク(ICGN)のグローバルガバナンス・コミッティーのメンバー。
- アレクサンドル・プロスト(Alexandre Prost)、シニア・コーポレート・ガバナンス&スチュワードシップ・アナリスト。ロンドンを拠点。IHSマークイットを経て、アクサIMに入社。
- コンスタンス・カイエ(Constance Caillet)、コーポレートガバナンスおよびスチュワードシップ・アナリスト。ロンドンを拠点。
上記3名は、RIコーディネーション&ガバナンス・ヘッドのクレマンス・ウモーにレポートします。
アクサIMのコーポレートガバナンスおよび議決権行使に関する方針の全容(英文)については、 こちらをご覧ください。
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