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テクノロジー

テクノロジー株:長期トレンドが有望な投資機会を提供

  • 2023年3月22日 (7 分で読めます)

キーポイント

  • グロース株からバリュー株へのシフトにより、魅力的なバリュエーションと強固な長期的成長ドライバーを備えたテクノロジー株が、潜在的に有望なポジションにある

  • クラウドコンピューティング、デジタルトランスフォーメーション、5Gの台頭、半導体、サイバーセキュリティが成長の可能性を支える要因

  • 当社の見解では、テクノロジーセクターは引き続き豊富な機会を有している

新型コロナウイルス危機の最中はテクノロジー株にとって栄光の一時期でしたが、その後2022年には一連の逆風を受け、現実に直面する形になりました。

相互接続性の向上がさらに不可欠となったパンデミック中に、テクノロジーは私たちが「ニューノーマル」へと進化するのに貢献しました。この環境シフトにより、テック株を中心とするナスダック100指数は2020年に47.6%という著しいパフォーマンスを達成し、1 2021年にも再び大きなパフォーマンスを上げています。

しかしその直後にはロシアがウクライナを侵攻し、インフレが数十年来の高水準に達し、金融政策が急速に引き締められました。このため株式投資家はこぞって、グロース株からバリュー株へと瞬く間に転換しました。この結果、ナスダック100は2022年に33%下落しました。2

しかし当社はこの価格シフトによりテック株がより魅力的なポジションを得たと考えます。とりわけ、バリュエーションが現在魅力的な水準になっている一方で、これらの企業がもつ強固な長期的成長ドライバーは今なお衰えていないからです。

回復の兆しはすでに進行

短期的には変動性がさらに高まる見込みがありますが、2023年は投資家にとって新たにポジティブな点をもたらしています。インフレが減速を始め、米連邦準備制度理事会(FRB)が金利上昇ペースを緩めるとの見方が広まっており、これら双方が企業の利益率の展望を改善させるでしょう。テクノロジー株を含め、昨年遅れを取った銘柄の多くがすでに大きく反発しており、実際、ナスダック指数は1月に10.6%のリターンを上げ、2001年以来最高のパフォーマンスとなっています。3

いずれにしても、テック株に関しては、バリュエーションがすべてではありません。もちろんバリュエーションは魅力的なエントリーポイントの発見に役立つ点で重要ですが、長期的観点をもつ投資家にとってのカギは、ファンダメンタルズ面で良質の成長を特定することであり、テクノロジーユニバース全体に多数の長期的機会が引き続き存在すると当社は考えます。

今後の主要な成長ドライバー

テクノロジーが商業的な展開に準備ができた時点で、ターゲットとする市場範囲が当初の想定をはるかに超えることがよくあります。テクノロジー企業は今やハードウェアやソフトウェアの販売だけでなく、サービスも提供することで、定期的な収入源を得ています。

テックセクターは20年前には多くの者が想像しなかったような方法で発展しており、今もなおそれが続いています。元来オンラインの書籍販売業者であった アマゾン・ドット・コムは、「007」ジェームズ・ボンド映画の制作で有名なハリウッド大手 MGM 社を84.5億ドルで買収しました。4 アルファベット(グーグル)は2004年以来の上場会社ですが、多くの面で、まだスタートアップ企業のように成長しています。

テクノロジーセクターにおける将来の成長を支えうる主要ドライバーは複数あると当社は見ています。そのうちの幾つかをこれより見てきましょう。

クラウドコンピューティングおよびインフラ投資

クラウドコンピューティングは、製品というよりサービスとしてのコンピューティングの提供です。ITおよび通信関連の調査会社IDCは、クラウド展開のためのコンピューターおよびストレージインフラ製品への投資が、専用環境(プライベートクラウド)および共有 IT 環境(パブリッククラウド)を含め、2022年7~9月期には前年同期比で24.7%増加し239億ドルに上ったと報告しています。5

2022年通年では、IDC はクラウドインフラへの投資が対前年比で19.6%上昇し、881億ドルに達すると推定しています。市場は引き続き高水準の需要および大規模な受注残の恩恵を受けるだけでなく、インフラ・サプライチェーンも改良しています。より長期に見て2021~26年の期間では、クラウドインフラ投資が12.9%の複合年間成長率で拡大し、2026年には1,351億ドルに上ると IDC は予想しています。6

クラウドコンピューティングにより、新たなビジネスモデルが規模の拡大を実現しています。テクノロジー企業は今やハードウェアやソフトウェアを販売しているだけでなく、クラウドコンピューティングを用いて配信サービス(アマゾン・ミュージック、マイクロソフト Xboxライブ、アップルTV、グーグル・プレイなど)を提供することで、定期的な収入を得ています。コンサルティング企業のガートナーは、世界全体のパブリッククラウドサービスが2023年には前年比で20.7%伸びて6,000億ドル近くに達すると予想しています。7

デジタルトランスフォーメーション

デジタルトランスフォーメーションは、企業が自社ビジネス全体にテクノロジーを組み込むことで、効率性の向上やビジネスダイナミクスの増強といったメリットを生むプロセスであり、企業は最終的に「デジタルネイティブ」企業(主にオンラインで操業するよう構築された企業)との顧客や従業員をめぐる競争の中で、デジタル最優先のマインドセットを採用することになります。

この行程は、顧客エクスペリエンス、労働者の権限拡大、事業効率、その他多数の要素に関連するため、各企業にとって様々な形を取る可能性がありますが、各々がたどる正確な軌道にもかかわらず、共通の土台となる複数の面があります。この場合、データのデジタル化、サービス型ソフトウェア(SaaS)、アナリティクスおよび人工知能、サイバーセキュリティといったすべてが重要な役割を担います。

結果は様々な産業で見ることができます。たとえばリテールバンキングでは、次世代の顧客が銀行口座開設に際して自社を選ぶよう惹きつけるためには、モバイルアプリが今や「あればいい」ものではなく、「なくてはならない」ものになっています。世界各国の政府もまた様々なタスクに対し、よりデジタル化したセルフサービスのプロセス導入のメリットを理解し始めています。

5Gの台頭

過去10年にかけて、スマートフォンならびにソーシャルメディア、ビデオ通信、ゲーミング、デジタル決済などの新たなアプリケーションの採用が、4Gネットワークの実装により支えられてきました。4Gが3Gに比べて著しい進歩であった半面、5Gはデータ・オーバーレイを用いた音声中心のネットワークよりも、データ中心のネットワークに向けた最適化を目的として設計されました。通信事業者は5Gへの移行を通して自社のスペクトラム(周波数帯域)のより効率的な利用が実現でき、新たな収益機会が見込めます。

5Gはより接続度の高い世界へのカギとなるテクノロジーであり、最終的には輸送、製造、エンターテイメント、医療など幅広い最終市場に枝分かれすると当社は考えます。

PwC では、5Gの主要な機能推進要因がサービス提供、意思決定、エンドユーザー体験の最適化を含み、広範にわたる事業機会への道を開くと指摘しています。これが2035年までに世界で13.2兆ドルの経済価値を生み、世界の5Gバリューチェーンだけで2,230万の雇用をもたらすことになります。現時点で最も興味深い投資機会は、通信インフラおよび半導体の供給企業にあると当社は見ています。8

半導体

私たちの日常生活におけるテクノロジー開発の主要局面は、エレクトロニクスと半導体が至る所にまん延するという予想でした。かつては世界の半導体のほとんどがコンピューター関連機器に使用されていましたが、半導体需要は過去10年間でスマートフォン、タブレット、家電製品、モノのインターネット(IoT、スマートサーモスタット(家の各部屋の温度、湿度などを自動調整する機器)、モニター付きドアチャイム、LED照明)などの複数の市場に広がり、今日では自動車産業(特に電気自動車、運転支援、安全機能)に及んでいます。ガートナーによれば、パソコンの世界出荷は2022年に16.2%低下したものの、半導体売上は世界で1.1%上昇しており、これは15年前ではあり得なかった二分化です。9

欧州の半導体法や米国のCHIPS法(同法では今後10年間にわたり同産業に2,800億ドルの投入を約束)など最近の政府イニシアチブに見られるように、半導体業界は世界経済に今なお極めて重要であり、ここ2~3年の不足状態からこれが顕著になっています。10

サイバーセキュリティ

サイバーセキュリティもまた、在宅勤務をする人やオンライン取引が増えるにつれてますます脚光を浴びるようになった重要な問題です。そしてランサムウェア、フィッシングなどの悪意あるサイバー活動や、知的財産やデータの盗難は、世界経済の停滞時でも衰えを見せそうにありません。より多くの企業がクラウドベースのコンピューティングに移行してきていることから、サイバーセキュリティの専門家は最近「空前の需要」があるとし、マッキンゼーは、サイバー犯罪関連の年間コストが2025年には10.5兆ドルに上ると予想しています。11

したがって企業のデータやシステムが侵害される脅威が高まるにつれて、サイバーセキュリティ関連への堅調な投資が今後も続くと当社では考えます。ファイアーウォール、Eメール保護、クラウドベースのセキュリティ、脆弱性管理などはすべて、サイバーセキュリティの重要な面です。

豊富な投資機会

テクノロジーは社会や企業の戦略に常に影響を与えてきましたが、消費者および産業の双方によるテクノロジーの導入ペースがかつてない速さに達しており、長期的な高成長を示唆しています。成長の背後にある全情報(成長の質、持続可能性、そしてビジネスのレバレッジ)を掘り下げて見ることが不可欠です。

今日の状況は、2000年前後に株価が急騰し、その後ドットコム・バブル崩壊につながった背景とはかけ離れています。1999年には多くのテクノロジー企業が持続不可能なまでの成長過程にあり、売上高も顧客もないという意味では現実とは程遠いバリュエーションを授かっていました。

今日のテクノロジー企業は非常に現実的な売上高、利益、顧客を有し、強力なキャッシュフロー創出力をもち、多くがまだ非常に広範なターゲット市場に恵まれています。新型コロナウイルス流行の初期には、IT 投資の中でも加速した要素がありました。特に企業が事業活動を継続し、従業員が在宅勤務できるようにする技術です。より長期的なプロジェクトは多くが保留されましたが、それが現在オンラインで再来しています。当社の見解では、テクノロジーセクターは引き続き豊富な投資機会を秘めています。

(オリジナル記事は3月8日に掲載されました。こちらをご覧ください。)

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