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グローバルファクター展望:不透明な経済環境がクオリティとグロース・ファクターを押し上げ

主なポイント

2025年上半期は、複雑なマクロ経済的背景と金利見通しの変化を背景に、不安定な時期となった
アクサ・インベストメント・マネージャーズ・グループ(以下、アクサIMといいます)は、株式市場全体についてはニュートラルであり、水準の再評価よりも収益成長によってパフォーマンスが牽引されると予想している
金利が低下しマクロ情勢が鈍化すると一般的に良好なパフォーマンスを示すクオリティ(質)株が現在(執筆時)最も良好なファクターである一方、グロース(成長)は最も向上したファクターである

金融市場は今年初来、不透明感に包まれてきましたが、その主な原因はトランプ大統領のいわゆる「解放の日」貿易関税がもたらした変化です。しかし、米国の AAA 格付けからの格下げや地政学的緊張の高まりなど、米国の通商政策以外にも取り組むべき問題は多数あります。

しかし、こうした不透明な背景にもかかわらず、関税導入の一時停止、堅調なマクロ経済データ、企業業績予想の急速な回復が相まって、世界の主要な株式市場は力強い上昇を見せました。

ポジティブな市場心理(センチメント)は今のところ、中東情勢の緊迫化によっては損なわれていませんが、原油価格が持続的に上昇するようなことがあれば、世界的な成長とインフレの見通しにリスクが生じる可能性があると見ています。市場にショックを起こすようなことがなければ、アクサIMは、株式市場に関して中立(ニュートラル)の見方をし、株価水準の見直しよりも業績成長が株式市場のパフォーマンスを主導すると予想しています。

金利の見通しは複雑です。米連邦準備制度理事会(FRB)は、インフレリスク(関税と原油)と成長・雇用の管理という二つの使命の間で板挟みになっています。FRB が金融緩和を急ぐとは見ていません(緩和の前に労働市場の弱さの兆候を確認することを求めていると考えられます)が、バランス的にはインフレリスクよりも成長リスクの方が大きいと考え、最終的には利下げをすると予想しています。市場は引き続き、今後12ヵ月間の緩やかな利下げを織り込んでいます。


株式ファクターの展望

マクロ経済の現状および金利の背景を鑑みて、アクサIMでは以下にグローバルファクター・ダッシュボードを更新しました:

 

アクサ IM エクイティ ファクター・ダッシュボード:2025年6月
出所 アクサ IM、2025年6月。ISM マクロ経済局面:減速、VIX(ボラティリティ指数):低、金利の方向性:低下 ✔は近い将来に株式市場よりも高いパフォーマンス(ポジティブ)を、✖は低いパフォーマンス(ネガティブ)を示す可能性を表し、-は中立(ニュートラル)である可能性を示しています。

アクサ IM ファクター・ダッシュボードの方法論の詳細(日本語)はこちらをご参照ください

6月はクオリティがマクロ、テクニカル(需給)、金利の各スコアおよび相対的に良好なバリュエーション(投資尺度)に支えられ、ダッシュボードの総合ランクで最上位となりました。バリュー(割安)は金利低下の見通しとテクニカルの要素が重荷となり、3ヵ月前と比較して下落し、1位から4位となりました。一方グロースは最も向上したファクターであり、現在の金利環境から恩恵を受け、3月のダッシュボード最下位から6月には2位に浮上しました。

株式市場のファクターに対するアクサIMの展望を下記に詳しく解説します。


クオリティ:ポジティブ   

クオリティ株 ― 相対的に安定した収益成長を遂げ、通常は株価変動が相対的に小さい株式 ― はダッシュボードの総合スコアで現在最上位にランクされているファクターです。クオリティは通常、金利が低下し、マクロ環境が減速しているときに良好なパフォーマンスを示します。クオリティは現在、歴史的に見て将来のアウトパフォームを支持するバリュエーション(価値尺度)水準で取引されており、低水準の混雑度(買われすぎていないこと)などのテクニカル要因も後押ししています。


グロース:ポジティブ

グロースは総合スコアで2番目に高いランキングを得ており、3ヵ月前と比較して最も向上したファクターです。グロースは通常、金利が低下したときに好成績を上げますが、マクロ経済の成長鈍化を背景に金利が低下した場合は優位性が弱くなります。グロース株のバリュエーションは決して割安はありませんが、割高でもなく、目下中立的なバリュエーション・スコアになっています。


低ボラティリティ(低変動性):ポジティブ

低ボラティリティは現在、総合スコアで中位にランクされています。低ボラティリティは最近不人気になっており、現在相対的に良好な水準になっています。通常、マクロ経済の減速は追い風となりますが、金利の低下は一般的にこのファクターにはあまり恩恵となりません。


バリュー:ニュートラル

バリュー株 ― 原資産価値よりも低い価格で取引されていると思われる銘柄 ― は通常、金利が低下すると悪影響を受けますが、現在の支援的なバリュエーションがこの潜在的な逆風を相殺します(バリュー株は通常より割安になっています)。また、バリューは現在、ダッシュボードのテクニカル面での点数も低くなっています 。 


モメンタム(勢い):ネガティブ

モメンタム株 ― 過去12ヵ月間で市場と比較して価格変動がプラスであった銘柄 ― は、総合スコアで最低ランクのファクターとなっています。これは昨年にかけて最高のパフォーマンスを示したセクターの中に表れています。しかし、金利低下とマクロ情勢の鈍化という環境は、歴史的に見てモメンタムを後押ししない傾向があり、さらに現在は取引が混雑している状態にあります。

過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。

(オリジナル記事は6月30日に掲載されました。こちらをご覧ください。)

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VIX指数 :シカゴオプション取引所がS&P500種指数のオプション取引の値動きをもとに算出・公表している指数です。※本資料中の指数等の著作権、知的財産権、その他一切の権利はその発行者に帰属します。

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