アクサIMのジル・モエック、環境省主催のESG金融ハイレベル・パネルで基調講演
- コロナ後、多くの政府が経済成長を促す方策として低炭素モデルへの移行を検討
- インパクト投資で重要なエンゲージメント。アクサIMも気候変動リスクに関する対話を加速
- 今後のESG投資で注目されるのは、規制圧力、トランジションボンドなどの新金融商品、生物多様性などの新たな環境テーマ
アクサ・インベストメント・マネージャーズ(アクサIM)調査部グローバルヘッド 兼 アクサグループ・チーフエコノミストのジル・モエックは本日、環境省主催の第3回ESG金融ハイレベル・パネルで基調講演(ビデオレター)を行いました。モエックは、アクサにおける20年以上にわたる責任投資の歴史、新型コロナ感染拡大を受けたESG投資の状況、インパクト投資への取り組み、今後のESG投資の課題などを説明しました。講演概要は以下の通りです。
* 金融・投資分野の各業界トップと国が連携し、ESG金融に関する意識と取組を高めていくための議論を行い、行動する場として環境省によって設置されたパネル
「コロナ感染「第一波」のピーク時には、経済成長の迅速な再スタートが絶対的な優先事項となり、気候変動への取り組みが犠牲になってしまうのでは、との懸念が高まりました。実際にはまったく逆の状況で、多くの政府が経済成長を促す方策として低炭素モデルへの移行を検討しています。」
「現在、当社はインパクト投資にフォーカスしています。インパクト投資は、投資の実行に際して具体的な成果(意図、プラス効果、社会、環境の側面)にフォーカスします。インパクト投資で特に重要なのがエンゲージメントです。当社は、2020年上半期だけでも80以上のグローバル企業(その多くは高炭素排出セクター)と気候変動リスクに関する対話を行いました。」
「今後数年間のESG投資を形成する第一の課題は、規制圧力です。各国政府が気候変動に対する緊急対策を取るようになり、多くの規制を検討し始めました。そして、第二の課題が新たな金融商品の登場です。当社は、新たな市場イニシアティブであるトランジションボンドをサポートしています。これはグリーンボンドを発行できる企業と通常の債券発行体の間の大きなギャップを埋めるもので、将来グリーン企業へ移行しようとしている意欲的なブラウン企業を支えます。第三の課題は、新たな環境テーマの急浮上です。現時点では炭素強度に大きな注目が集まっており、確かに優先事項ですが、新しい課題にも目を向ける必要があります。当社が極めて綿密に調査し始めたのは、生物多様性です。」
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