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ロボテック戦略月次レター:AI関連銘柄が幅広く上昇し、ロボテック戦略への追い風に

  • 2023年6月13日 (5 分で読めます)

ロボテック戦略月次レター(2023年5月の振り返り)

AI関連銘柄が幅広く上昇し、ロボテック戦略への追い風に

労働力不足や政策支援が自動化需要を押し上げ

5月のグローバル株式市場(MSCIオールカントリーワールド指数(MSCI ACWI)、米ドルベース)は小幅の上昇となりました。当戦略は市場全体を上回るパフォーマンスとなりました。情報技術セクターがパフォーマンスを牽引し、その中でも半導体関連、特に人工知能(AI)関連のテクノロジー開発に携わる企業の株価が際立って上昇しました。

1-3月期の企業決算が発表され、当戦略の組入銘柄の約81%がアナリストの事前予想を上回る業績を発表しました。これはMSCI ACWIに含まれる企業の53%がアナリスト予想を上回ったのと比べると大幅に上回っています。(ブルームバーグ調べ)

ロボテック戦略には、AIに直接エクスポージャーを持つ企業やAIを支える技術基盤企業、AIユーザー企業が多く、AI関連の株価上昇の恩恵を受けています。

エヌビディアが大きくプラス寄与

当月は半導体企業のエヌビディアが大きくプラス寄与となりました。エヌビディアの先端GPU(画像処理半導体)は高速で並列処理に優れており、生成AI(文章、画像など様々なコンテンツを生成する人工知能)の機械学習向けの主力半導体となっています。同社は月末近くに5-7月期売上高見通しを発表し、アナリスト予想を50%以上上回る110億ドル(約1兆5,000億円)前後に達する見込みであることを示しました。また粗利益率見通しはアナリスト予想の67%に対して約70%になるとの見込みも併せて発表されました。これにより2024年および25年のコンセンサス収益予想は50%超増加することになります。

エヌビディアの力強い業績見通しを受けて多くの関連企業の株価も上昇し、高性能計算(HPC)半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイセス(AMD)、エヌビディアや同業他社向けHPC半導体受託製造のTSMC、半導体設計ソフトウェアのケイデンス・デザイン・システムズなどが特に堅調でした。これらの銘柄以外にも、当戦略はAIにどれくらいのエクスポージャーがあるのかという質問を多く受けました。個別企業については、AIが事業の中核となっている企業から開発の初期段階の企業まで様々あるため、正確なエクスポージャーを測ることは困難であるものの、大まかに表のように分類してみました。


なお、エヌビディアの株価収益率(PER)は、業績発表前には約50倍でしたが、収益予想が大幅に引き上げられた結果、株価が大きく上昇したにもかかわらずPERは40倍まで低下し、同社の過去5年平均とほぼ同水準となりました(注:PERは収益に対する株価の割安度を測る指標。数値が小さいほど割安。)。この水準は割安とは言い難いものの、収益予想の上方修正幅があまりにも大きいため、株価が大きく上昇しても割安度合いが高まるというのは興味深い現象です。

同社CEOのジェンスン・フアン氏は、「コンピューター業界では二つの変革が同時進行している。コンピューターの高速化と生成AIだ」と述べ、「企業はあらゆる製品・サービス・事業プロセスにおいて競って生成AIを導入しようとしており、1兆ドル規模の世界のデータセンターのインフラストラクチャーの使用目的は従来の一般的な用途から計算処理の高速化へと変革する」と指摘しました。

月末に台湾を訪問したフアン氏は、報道によれば、TSMCに対して生成AI向けGPUの大幅な緊急増産を依頼しました。また、エヌビディアとTSMCは、さらに高速の生成AI専用GPUを年内に投入する見込みです。

テクノロジーやAI関連銘柄に対して投資家が熱狂している一方、アクソニクス、サーモフィッシャーサイエンティフィック、デクスコムなどヘルスケア関連の組入銘柄は当月軟調なパフォーマンスとなりました。特段悪いニュースがあったわけではなく、多くの投資家がヘルスケアなどのセクターから情報技術セクターへ資金をシフトさせたことが背景にあると見られます。

米国では求人件数が増加に転じ、欧州では半導体でリショアリング拡大へ

なお、月末に発表された米国のJOLTS(雇用動態調査)では年初来で減少傾向を示していた求人件数が再び増加に転じました。労働市場の根強い逼迫感を受けて、金利の方向性やインフレの正常化の道筋に対して市場は疑問を投げかけています。しかしながら、ポジティブな面としては、製造業のリショアリング(国内回帰)の動きが見られる中において、労働力不足は自動化需要を押し上げる要因になると見られます。

欧州のリショアリング関連では、月初に、欧州連合(EU)の半導体産業誘致策(欧州半導体法)の初適用となる独インフィニオンテクノロジーズの新工場の建設が着工しました。新工場では、EVのモーター制御装置などに使われるパワー半導体が生産される予定です。投資額50億ユーロ(約7,500億円)に対して、10億ユーロのEU補助金が交付される見込みです。EUは、米国と同様に、域内における半導体生産拡大および製造拠点建設に積極的に補助金を投じる予定です。EUでも労働力は不足しており、かつコストも高いため、ここでも自動化需要がさらに高まると見られます。

ロボテック戦略月次レター:AI関連銘柄が幅広く上昇し、ロボテック戦略への追い風に
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