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Investment Institute
マーケット見通し

CIO月次投資見通し: 米国の関税、欧州債券市場、日本の転換

主なポイント

米国の関税
欧州債券市場
日本の転換

米国:関税問題で悪化

米国株式市場の最近の動揺の後、投資家が市場に再び買い向かうにはどういう条件が必要か考えてみましょう。第一は政策についての見通しです。関税の多くについて実施を先送りするというトランプ大統領の決定は、市場の下落によって引き起こされた何らかの形の「政策プット(政策による相場の下支え)」があることを示唆していると考えます。二国間の協議が進めば、貿易戦争の最悪の状況が回避され、投資家心理には好影響があると見ています。第二に、同様に重要なこととして連邦準備制度理事会(FRB)への圧力の軽減を考えます。FRBは低失業率および物価の安定という使命を達成しつつあますが、投資家はFRBが先入観なく職務を遂行できるかどうか確認しようとすると見ています。しかし、米国株式市場のリスクプレミアム(リスクに対する対価)が引き続き、他の市場と比べて低いことから、バリュエーション(投資尺度)の調整が必要になる可能性があると見ています。最後に、過去のデータでは、株式市場が10%以上調整したとき、大半の場合、その後の1年でリターンはプラスでした。このことは、投資家にとって好材料と思われます。米国株はまだ割安ではありませんが、十分に長期の投資期間があれば、プラスのパフォーマンスを得ることができると見ています。


欧州債券市場:相対的に穏やか

現在(執筆時)市場では、認識と現実との間にかなり大きなギャップがあると見ています。投資調査からは、世界が市場の混乱の渦中にあるという印象を受けます。このことは特定の資産クラスについて当てはまる可能性がある一方、欧州の債券市場は少なくともパフォーマンスに関して、異なる様相を呈していると見ています。今年初から今日まで、欧州の国債、社債、ハイイールド債券の各市場リターンは0.3%~1.0%の範囲にあり、まだプラスの領域にあります。欧州中央銀行(ECB)が2025年に入りこれまで利下げを3回行い、年末までにさらに65ベーシスポイント(bp)の利下げが市場価格に織り込まれています。しかし、ドイツが3月に欧州の国債市場に与えた財政ショックにより、債券市場全体のパフォーマンスがいく分低下しました。投資家は今後、特に社債などのクレジット分野におけるバリュエーションの改善と並行して、国債の発行が増える可能性を検討すると見ています。例えば、欧州ハイイールド債券市場のスプレッド(利回り差)は3月上旬~4月上旬に起こった拡大幅のほぼ50%を縮小し戻しましたが、依然として2024年平均を上回って取引されています。


日本:カギとなる時期 

日本経済は大きく転換したと見ています。マクロ経済面では、2024年にマイナス金利から脱し、賃金と物価は30年ぶりの好循環に入りました。他国との金利差や円安により、輸出には好条件となってきました。ミクロ経済面では、企業が業績の好転を実現し、賃上げと物価上昇に抑制がかかっていた従来の経済状況から脱却しつつあると見ています。日本企業は生産性が向上し、利益重視型になってきています。さらには、日本がロボット工学、自動車、グリーンテクノロジーといった部門を重視していることも、海外からの投資増加に貢献しています。政府が家計に対して貯蓄から株式投資を増やすよう奨励していることも、同様に一役買っています。外部環境もまた良好で、世界の成長は底堅さを維持しています。政策立案者らは今後、世界の経済成長鈍化、関税をめぐる不確実性、通貨高の問題に直面しながら、金利と成長率の間の良好な距離を維持するという微妙なバランス調整が任務となると見ています。とは言うものの、日本経済の回復は目先の不安定さにもかかわらず、長期的な根本的変化を表していると見ています。

 

出所ブルームバーグ、アクサIMグループ


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