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Investment Institute
マーケット見通し

月次投資見通し: クレジット・デフォルト・スワップ、FRBの課題、中国の新政策

主なポイント

クレジット・デフォルト・スワップの増加
米連邦準備制度理事会(FRB)の政策課題
中国の反インボリューション策

CDS取引

クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は、投資家が社債のクレジットスプレッド(信用格差による利回り差)部分をヘッジすることを可能にするデリバティブ商品です。単一のCDS、または複数のCDSをまとめたバスケットを購入することは、クレジットスプレッドの拡大に対するプロテクション(保護策)を購入することを意味します。流動性が高まることで、クレジットスプレッドの方向性について投機的な見解を表明しながら、投資適格やハイイールドなどの社債や新興国市場のクレジットセクターをレバレッジ(自己資金と担保として自己資本以上の取引ができる仕組み)をかけて組み入れることも可能になります。クレジットをオーバーウェイトすることが市場のコンセンサスとなっているため、CDSを用いてレバレッジのかかったポジションを得る取引は売買量が増加しています。クレジットのファンダメンタルズは良好であり、継続的な成長、安定した金利、そして力強い企業業績が見られます。モメンタム(方向性の勢い)は良好で、2025年にはクレジット・スプレッドは概ね縮小傾向にあります。アクサIMグループは社債などクレジット資産に対して引き続き強気の見方をしています。しかし、スプレッドはしばらくの間非常に狭い水準にあり、市場での投機的なCDSのショート・ポジションは過去と比べて相当な規模に増加しています。マクロ経済になんらかのショックが起こると、スプレッドが急速に拡大し反転の前兆となる可能性があるとみています。クレジット自体は良好とみていますが、現在の市場のスプレッド水準とポジションを考えると、リターンがマイナスになるリスクがあるとみています。


米連邦準備制度理事会(FRB)のジレンマ

FRBが7月に政策金利を据え置く決定を下したことを受け、市場は9月以降年末までに35ベーシスポイント(bp)の利下げを予想しています。これは、解放記念日(4月2日)の関税発表当時に市場が見込んでいた100bpを超える利下げ予想とは対照的に映ります。同時に、市場予想では依然として、米国経済(国内総生産、GDP)の成長は2024年の2.8%から2025年には1.5%程度に減速し、インフレ率は今年7~9月期と10~12月期にそれぞれ3.0%と3.1%に加速する見込みです。FRBはジレンマに直面しているとみています。つまり、景気減速が予想される中で利下げするか、インフレ加速のリスクが顕在化してきた中で利上げする、または、据え置くか、である。FRBはこのジレンマに対処するため、最適な政策スタンスを明確に特定し、採用しているとみています。つまり、厳密にデータに依存した中立的なガイダンス・アプローチは、経済の将来状況に関する二者択一の不確実性に対処するのに最適であり、最悪のマクロ経済シナリオにおける潜在的な悪影響を最小限に抑えることができるとみています。


反インボリューション*的な展開

中国のデフレ状況が今年6月で33ヶ月目を迎えたため、政策当局は投資と供給に偏った成長モデルに起因する根本的な問題を認識しました。電子商取引、自動車セクター、太陽光パネル、電気自動車用バッテリー、そして一部の資源開発セクターにおいて、当局は反インボリューション措置、すなわち過剰で非生産的な競争に対抗する処置を展開しました。その目的は、生産能力の削減、あるいは生産効率を優先する投資の促進です。これにより、政策誘導による投資機会への関心が再び高まり、対象となるセクターのPERは上昇しましたが、業績回復の兆候はまだ見られていません。持続的な業績回復には、中国の成長モデルの抜本的な改革が必要とみています。内需の不足が主要な課題であり、依然として経済的な障壁となっています。非金属鉱業における過剰生産能力は、主に不動産市場の低迷によるものです。過去の供給側改革は、積極的な生産能力削減に重点を置いていましたが、過剰生産能力の多くが民間産業に偏っている現在、この道のりは以前よりも困難になっているとみています。

*:インボリューション:社会学用語で、内側に向かう発展。中国では、内巻と訳されて、内向きの過当競争を示す

出所:ブルームバーグ、アクサIMグループ


出所:ブルームバーグ

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