投資テーマとしての「高齢化とライフスタイル」
「高齢化とライフスタイル」とは、平均寿命が延びる中で世界的に人々の暮らし方が変わりつつある現象を指しています。人口の高齢化は、現代の社会・経済・政治に最も大きな影響を及ぼす変化の1つです。
例えば、世界における60歳超の人口は、2000年から2050年にかけて3倍になると予想されています1。これは、政府にも企業や市民にもさまざまな課題をもたらす反面、投資機会を生み出します。
2000~2050年の世界人口変化率(予想)
60歳超 ⇨ 2倍
80歳超 ⇨⇨ 3倍
出所:国連, World Population Ageing, 2020年 | 世界保健機関, 2021年10月
「高齢化とライフスタイル」がもたらす投資機会
人口高齢化が生み出す投資機会は、誰もが思いつくヘルスケア分野にとどまらず、他の分野にも幅広く存在します。ライフスタイルの変化と人口高齢化に伴うニーズは、投資家に今後数十年にも及ぶ成長機会をもたらす可能性があります。60歳超の人口が2030年までに先進国市場で生み出す消費拡大分の3分の2は、美容、フィットネス、旅行、娯楽といった生活の質向上に注力する産業が享受することになるでしょう1 。
一方、それ以外の不動産、金融、ヘルスケアといった産業では、退職者や高齢者の抱えるニーズに素早く適応していくことが求められます。
当社が投資対象とするのは、長寿化が経済にもたらす影響から恩恵を受ける以下の4分野で事業を展開する企業です。
- シルバー消費:理美容、パーソナルケア、フィットネス、住宅、旅行、レジャー、娯楽といった生活の質向上に注力する企業。
- 医療:次世代に対して持続可能な治療方法を模索する企業。
- 健康:予防医療、個別化医療、栄養、美容医療、アンチエイジング療法などの健康産業。
- 高齢者介護:高齢者向け住宅や、認知症患者に特化した「メモリーケア」のような専門介護施設の市場。
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今や65歳超の成人数は5歳未満の子どもの数を上回っています。
長寿化は当然ながら医療費膨張につながっており、今後5年間においては、加齢に伴う慢性疾患の予防と治療が医療費を押し上げる主要因となります。
米国では毎日約1万人が65歳に達していますが、65~84歳の1人当たり医療費は、45~64歳の倍となります2
年齢層別医療費
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世界経済フォーラムの推計によれば、これは、1日当たり280億ドルの不足額が新たに生じることになります3 。長期化する老後生活を享受するために資金を蓄えなければならず、個人の負担は増すばかりですが、これは資産運用会社にとって十分に拡大余地があることを示唆しています。
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「進化する経済」により恩恵を受ける企業への投資を支援できるよう、これらのテーマの組み入れに向けて社内のリサーチ体制を整えてまいりました。ファンダメンタルズ分析に基づく長期的な成長投資を今後支えていくのは、これらのテーマであると考えているためです。
ご留意事項