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ポートフォリオにおけるインフレ連動債の効果的活用法

主なポイント

インフレ率は現状(執筆時)歴史的な高水準ではなくなったものの、依然として粘着性があり再び増加する可能性があると見る
インフレ連動債への投資戦略は投資家にとってインフレ・リスクのヘッジ手段となる可能性があると見ている
この不確実な環境の下で、短期インフレ連動債投資戦略が投資家の間で特に関心を呼ぶ可能性があると見ている

この1年間でインフレが急上昇するという懸念はやや後退し、市場の焦点は別の要因に移りつつありました。

しかし今日、インフレ加速は再び大きな懸念になりつつあります。地政学的情勢が重要な役割を演じており、トランプ関税がインフレ懸念を生み出し始める前でさえ、インフレは多くの人が予想したよりも粘着的で深く根付いていました。

金利は低下してきているものの、インフレ率が各主要中央銀行の目標を依然として上回っているため、多くの投資家、特にポートフォリオに比較的多くのキャッシュを保有する投資家にとって、インフレの管理が重要な検討事項となっています。


インフレの簡潔な説明

インフレとは、物価水準の全般的な上昇によって貨幣の全体的な購買力が継続的に低下することを指します。

インフレは財とサービスを寄せ集めた集合体に基づく物価指数を用いて推計されます。これらの集合体の構成は、市場に出回っている製品や消費者の嗜好の変化に伴って時間の経過とともに変化します。

インフレには構成要素に応じて2つのカテゴリーがあります。

  • 総合:景気変動の影響を受けやすくなっています。
  • コア(基調):食料品やエネルギーなどの価格変動の大きい要素を除外するもので、物価の構造的変化をより良く表します。

インフレについて注意すべき重要な点は、インフレは従来の債券が提供できるリターンを低下させ、インフレが高まった時には物価調整後の債券の実質リターンがマイナスになる可能性があるということです。

下図は、投資家が当初投資した100ポンドに対して異なるインフレ水準が及ぼす影響を示しています。

出所:アクサIM、2025年4月30日現在。上記グラフは例示目的にすぎません。

上図は、インフレを考慮する前の名目リターンではなく、インフレを考慮した後の実質リターンを表しており、投資家が考えるべき理由を示しています。また、多くの投資家がインフレ・リスクをヘッジしようとする理由でもあります。

インフレをヘッジする手段

インフレ・リスクをヘッジしようとする投資家にとって利用可能な一つの選択肢はインフレ連動債への投資戦略です。インフレ連動債は通常、政府が発行する債券であり、総合インフレ率(食料品とエネルギーを含むインフレ率)に連動します。

固定利付債券(名目債券)とは異なり、インフレ連動債の将来のキャッシュフローは、購入時には不明です。それは、参照インフレ指数の将来価値に依存して決定されるためです。確定したキャッシュフローではなく、日々の物価調整プロセスにより、(インフレ率がプラスの場合)元本とクーポンが時間とともに増加します。

時間の経過とともに、インフレ連動債の元本の価値はインフレに応じて増加します。また、英国とカナダは別として、インフレ連動債の名目価値はデフレから守るために額面で保証されています。

クーポンの流れにどのように影響するか(インフレ連動債の仕組みの説明)

クーポン、すなわち債券の残存期間中に支払われる利金は実質ベースで支払われるため、インフレ・リスクを保護してくれます。この金額は、インフレに連動した名目価値に対する固定比率として計算されます。

出所:アクサIM、2025年4月30日現在。上記グラフは例示目的にすぎません。

これにより、クーポンは実質ベースで一定になります。支払日になると、想定元本はインフレ指数比率(支払日時点の指数/発行日時点の指数)を乗じて計算されます。したがって、この参照指数(インフレ指数)比率が上昇すると、債券の想定元本も比例して上昇します。その結果、投資家には、インフレ調整後の想定元本に固定利率を乗じて計算される実質固定クーポンが支払われます。

インフレ率への連動は発行体によって保証されているため、実質利回りは実際のインフレ率に上乗せされた年間利回り(プレミアム)となります。しかし、元本とは異なり、クーポンにはデフレに対する保護がありません(例外はオーストラリア)。

全年限型投資戦略と短期デュレーション型投資戦略のパフォーマンスについて

投資家は、ニーズと市場環境に応じて、全年限型と短期デュレーション型のインフレ連動債投資戦略のいずれかを選択することができます。

下図では、全年限型のユニバース(左図)と短期デュレーション型のユニバース(右図)の異なるパフォーマンス要因を対比しています。

出所:アクサIM、ブルームバーグ、2025年3月31日現在。上記グラフは例示目的にすぎません。

全年限型のインフレ連動債投資戦略は、すべての償還年限について他の債券と同様に金利リスクの影響を受けるため、安定した低金利環境下でパフォーマンスが向上する傾向があります。歴史的には、景気サイクルの終盤で最もパフォーマンスが良くなっています。

短期デュレーション型のインフレ連動債投資戦略の人気が高まっていますが、それは、同一発行体のインフレ連動債は全てデュレーションに関係なく同じインフレ率に連動することから、デュレーションのエクスポージャー(かかわりの強さの度合い)をあまり大きくとらずにインフレをヘッジしたい投資家は、短期のインフレ連動債投資戦略を選択する傾向があるためです。

インフレ連動債は、購入時にプラスの実質利回りを確保することができ、将来のリターンが実際のインフレ率に連動することを保証しているため、インフレ連動債投資戦略はインフレをヘッジしようとする投資家にとって効果的なソリューションを提供していると見ています。

過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。

(オリジナル記事は5月6日に掲載されました。こちらをご覧ください。)

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