【重要なお知らせ】 アクサ・インベストメント・マネジャーズ(AXA IM)やその役職員を装った不審な勧誘にご注意ください。 詳細はこちら

グローバル・ポートフォリオにおけるグリーンボンドの静かな進化

主なポイント

グリーンボンド市場は成熟し、中核的な債券ポートフォリオの一部として重要さを増しています。
欧州が依然として主要な市場ですが、他の国々、特にアジアや新興国でもグリーンボンドは受け入れられつつあります。
一部のグリーンボンドやグリーンファンドがどの程度グリーンなのかについて疑問が呈されているため、グリーンボンド・ポートフォリオを構築する際にはアクティブで規律あるアプローチを行うことが重要と考えます。

グリーンボンド市場は資産クラスとして成熟しつつあり、成熟に伴いグローバルな重要性を高めつつあります。昨年の発行額は4,480億ユーロで依然として欧州中心でしたが1 、注目すべき点は、一度グリーンボンド市場に参入した発行体はまた戻ってくる傾向があることです。このため、アクサ・インベストメント・マネージャーズ・グループ(以下、アクサIMといいます)は、2024年に発行されたグリーンボンドの多くは将来借り換えられるとみています。

需要が強まっているのは欧州だけではありません。アジア、オーストラリア、あるいは新興国の顧客の関心も高まっています。規制や透明性、サステナビリティ(持続可能性)へのコミットメント(責任をもってかかわること)により、10年前に欧州で見られたのと同様の拡大の条件が整いつつあります。また、欧州以外の国の政府もグリーンボンドを引き続き利用しており、例えば中国は今年、初のグリーンボンドを発行しました。 国家の参入が続いているため、グリーンボンド分野は引き続き拡大し市場での地位を強化しています。

また、グリーンボンド市場は近年、従来の債券市場と比較して良好なパフォーマンスを示していますが、これはその構造を肯定的に反映しているからだとアクサIMはみています。社債がグリーンボンド市場で占める割合は約50%と、グローバル総合債券市場で占める割合よりも高くなっています。また、グリーンボンド市場はユーロ金利に対してより敏感に反応します。平均デュレーションと格付けは総合債券市場とほぼ同じであるため、特に良好な市場環境では、これらの違いが相対リターンの重要な要因となります。

  • 5Ye65omA77ya44Ki44Kv44K1SU3jgIHjg5bjg6vjg7zjg6Djg5Djg7zjgrDjgIEyMDI05bm0MTLmnIgzMeaXpeePvuWcqA==

現在では、グリーンボンドは従来の債券と同様の価格水準となっています。グリーンボンドが従来の債券よりもやや割高だった時代は終わりました。現在、グリーニアム(従来の債券に対するグリーンボンドの上乗せ価格)は平均約1ベーシスポイント(bp)であり、価格への影響はほぼありません。

しかし、グリーンボンドの普遍的な定義がないため、投資家は慎重に行動することが重要です。分類表示はありますが任意であるため、詳細なデューデリジェンスの実施が不可欠です。アクサIMは、発行体の信頼性とネットゼロ(温室効果ガス排出量が除去量と差し引きゼロになる状態)へのコミットメントを確認するために発行体を評価し、また、基礎となるプロジェクトが気候目標と真に整合していることを確認するために当該プロジェクトを評価しています。

グリーンボンド市場は成熟し、投資家はグリーンボンド市場を債券投資戦略の中核的な一部分とみなし始めています。ただし、規制などに関して克服すべき障害がいくつかあります。そのため、この資産クラスにおける良好な投資機会を活用するには、この市場に対するアクティブで規律あるアプローチを行うことが重要と考えます。

市場が成熟さを増し、グリーニアムもほぼ解消している為、グリーンボンド市場への投資戦略は、リスクやリターンを悪化させることなく債券ポートフォリオをサステナビリティ目標と整合させるための効率的な手段と見ています。なぜなら、市場規模にかかわらず重要なのは方向性だからです。ポートフォリオをネットゼロに近づけたいのであれば、気候変動に対応している発行体やプロジェクトに投資することが重要と考えます。グリーンボンドへの投資戦略はこれに適合しており、ネットゼロに関与するための強力な手段を提供します。

もちろん、現在(執筆時)グリーンボンド投資戦略はESG要因を取り込むためだけのものではありません。 グリーンボンド投資戦略は、以下のとおり、投資家に他の様々な結果をもたらすこともできます。

  • リスクの軽減

    債券への投資を通じて高リスク資産からの移行や市場の不確実性の軽減を図ろうとしている投資家にとって、従来の債券と同じ(透明性が高い分、おそらくより良好な)特性を有するグリーンボンドへの投資戦略は選択肢となり得るでしょう。

  • 収益力

    従来の総合債券ポートフォリオで一般的に達成される水準よりも高い収益力を求める投資家にとって、グリーンボンド市場は同市場全体に占める社債の割合が大きいことから検討の対象になり得るとみています。

  • 米国に対するエクスポージャーの低下

    米国はこれまでグリーンボンド市場拡大には重要な貢献をしてはおらず、短期的に市場シェアを拡大する可能性も低いと考えられます。したがって、グリーンボンド投資戦略は、米国に対するエクスポージャー(リスクに関連している度合い)を減らしたい投資家に信頼性の高い直接的な選択肢を提供します。

多くの投資家にとって、グリーンボンド投資戦略は単に環境への貢献で気分を良くするためではなく、より高い透明性とインパクトを伴った質の高いエクスポージャーを手に入れることを意味します。グリーンボンド投資戦略と従来の債券への投資戦略を比較するときにトラッキング・エラー(乖離度合い)の問題が依然として残っていますが、トラッキング・エラーにこだわらない投資家にとって、グリーンボンド投資戦略は非常に効率的な投資であるとアクサIMは考えています。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    

本記事は以下に基づいています:https://insideadviser.com.au/the-quiet-evolution-of-green-bonds-in-global-portfolios/

過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。

(オリジナル記事は7月1日に掲載されました。こちらをご覧ください。)

    ご留意事項

    本ページは情報提供のみを目的としており、特定の有価証券やアクサ・インベストメント・マネージャーズ・グループ(アクサIM)またはその関連会社による投資、商品またはサービスを購入または売却するオファーを構成するものではなく、またこれらは勧誘、投資、法的または税務アドバイスとして考慮すべきではありません。本資料で説明された戦略は、管轄区域または特定のタイプの投資家によってはご利用できない可能性があります。本資料で提示された意見、推計および予測は掲載時の主観的なものであり、予告なしに変更される可能性があります。予測が現実になるという保証はありません。本資料に記載されている情報に依拠するか否かについては、読者の独自の判断に委ねられています。本資料には投資判断に必要な十分な情報は含まれていません。

    投資リスクおよび費用について
    当社が提供する戦略は、主に有価証券への投資を行いますが、当該有価証券の価格の下落により、投資元本を割り込むおそれがあります。また、外貨建資産に投資する場合には、為替の変動によっては投資元本を割り込むおそれがあります。したがって、お客様の投資元本は保証されているものではなく、運用の結果生じた利益および損失はすべてお客様に帰属します。
    また、当社の投資運用業務に係る報酬額およびその他費用は、お客様の運用資産の額や運用戦略(方針)等によって異なりますので、その合計額を表示することはできません。また、運用資産において行う有価証券等の取引に伴う売買手数料等はお客様の負担となります。

    アクサ・インベストメント・マネージャーズ株式会社
    金融商品取引業者 登録番号: 関東財務局長(金商) 第16号
    加入協会: 一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人投資信託協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会、日本証券業協会

    お問い合わせ先:TOKYOMARKETING@axa-im.com

    ページトップへ