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Investment Institute
マーケット見通し

欧州に潜在的な投資機会が多い理由

主なポイント

欧州は投資家に多くの投資機会を提供する大規模な経済圏
世界最大の貿易圏として、4億5,000万人の消費者と世界をリードする多くの企業を抱えている
革新的な投資の可能性を豊富に有する欧州は、依然として持続可能性における世界のリーダー

欧州は投資家の注目を浴びています。特に貿易関税をめぐる米国の政治的・政策的不確実性および、より広範な脱グローバル化の動きにより、投資家は欧州に向けて舵を切っています。

確かに、欧州市場が最近(執筆時)は米国と比較して好調に推移していることは、このことを如実に物語っているとみています。

しかし米国主導の地政学的不確実性もさながら、欧州には投資の可能性が豊富にあるとみています。持続可能性のリーダーであり、数多くの大手国際企業の本拠地であり、時価総額約6兆ドルの世界最大級の証券取引所、ユーロネクストがあります。1 欧州はまた、世界の貿易と安全保障の関係が変化する可能性により、さらに強力な統一経済と金融市場インフラを生み出す機会があるとみています。

  • {https://www.bankrate.com/investing/worlds-largest-stock-exchanges-biggest-by-market-capitalization;World’s 10 Largest Stock Exchanges By Market Capitalization}

大規模な経済圏

欧州が成長鈍化に苦しんできたことは間違いありません。2025年4~6月期のユーロ圏域内総生産(GDP)は、1~3月期の0.6%増に対し0.1%増でした。しかし、将来の拡大を後押しする材料は十分にあります。

国際通貨基金(IMF)は最新の世界経済見通しで、ユーロ圏の成長率を2024年の合計0.9%から2025年は1.0%、2026年では1.2%に上昇すると予測しています。24億4,800万人以上の消費者を抱える27カ国の欧州連合(EU)は、世界最大の経済圏のひとつであり、最大の単一市場であるため、この地域にはさらなる成長の可能性が見込まれています。EUを最大の貿易相手とする国は80カ国に上る一方、米国を最大の貿易相手国とするのは20カ国強に過ぎません。.3, 4 欧州は米国よりも金利が低いという背景を別としても、ドイツが債務規則を緩和し、約1兆ユーロを国防とインフラ支出に充てることは、EU全体の長期的な成長拡大にとって大きなカギを握る可能性があると考えます。米国主導の貿易戦争による悪影響への対抗策として、EU加盟国の経済的・金融的一体化を進める余地が確かにあるとみています。

深遠な投資可能性

生成人工知能(AI)革命は、ここ数年間米国株式市場が相次いで最高値更新を続けることの後押しをしましたが、相対的に割高なバリュエーション(投資尺度)と政治的な不確実性が相まって、投資家は米国から新たな機会に方向転換を始めました。例として、ストックス欧州600種株価指数が年初来26%上昇しているのに対し、米国のS&P500種株価指数は11%となっています。5 また、グロース株が優位の米国市場に比べ、欧州市場ではバリュー株が選好され、配当利回りも高いことも、欧州投資戦略への動機になっています。

市場の予想では増益が続き、ストックス欧州600指数の1株当たり利益は今年36.10ユーロに対し2026年には40.20ユーロとなり、増益率は7.6%となっています。ブルームバーグによると、欧州の4~6月期の増益率はこれまでのところ15%となっています。米国株式市場のバリュエーション指標が「リスク」を示唆している一方で、欧州株式市場を選好する論旨は強さを維持しています。6 歴史的には、欧州株式市場のトータルリターンは米国とは対照的に、配当収入が純粋な値上がり益と同じくらい寄与しており、相対的にバランスが取れています。

債券市場では、欧州社債市場が底堅いファンダメンタルズと相対的に良好な利回り、そして堅調な資金流入に引き続き支えられています。投資家が良好な利回りを確保しようとするため、需要はさらに高まるとみています。

また、非ユーロ圏企業によるユーロ建て債券の発行が2025年に急増していることも注目に値しますが、今年6月中旬頃には今年の発行額が1,000億ユーロ近くに達した一方で、過去5年間の同期間の平均発行額は320億ユーロでした。.7

米国の政策に対する懸念を考慮すれば、国際的な投資家が欧州債券戦略への配分を増やす余地はあります。確かにアジアの投資家から見れば、欧州債券戦略の方がドル建て債券への投資戦略よりも為替リスクをヘッジするコストが安くなります。

持続可能な投資のグローバルリーダー

欧州は依然として国際的な気候変動対策を推進する力となっており、グリーンイノベーションのハブとして確立されています。(産業革命以前と比較して)地球の気温上昇を2℃より十分低く抑えるという気候変動に関するパリ協定が採択されたのは10年前、欧州においてでした。

クリーンエネルギーへの投資は年間4兆ドルに増加させる必要があり、欧州はその恩恵を受ける可能性があり、投資家にとって新たな潜在的な投資機会を生み出すことになりそうです。.8 この投資ペースは、2019年の欧州グリーンディールが重要な基盤となって支えていますが、この政策は2050年までに欧州を初の気候中立大陸にすることを目標としています。この政策構想は、クリーンエネルギー投資の促進から気候変動技術革新、海洋、農業、運輸、さらには持続可能な投資による金融や地域開発まで、さまざまな分野に焦点を当てています。

今後の課題とポテンシャル

もちろん欧州に課題がないわけではなく、欧州企業の収益性は間違いなく米国の貿易関税の影響を受けるでしょう。ウクライナでの戦争も長期化しています。しかし長期的には、欧州が投資家に提供する機会はさらに拡大を続けるとみています。欧州の指導者たちが、よりまとまりのある集中的なアプローチ、資本市場と銀行業界の統合の進展、再生可能エネルギーやその他のインフラプロジェクトに対する共通の資金調達を実現すれば、その恩恵は経済成長に向けて長期的に強力な下支えとなるとみています。追加的な要素として、ウクライナの平和や米国との安定した関係、技術革新へのコミットメントが、欧州にとって明るい未来への要因になると考えています。

過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。

(オリジナル記事は9月30日に掲載されました。こちらをご覧ください。)

本資料で使用している指数について

S&P500種株価指数:S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出する米国の500社の値動きの平均を示す時価総額加重平均型株価指数です。

ストックス欧州600指数:STOXX社が算出・公表している欧州先進国における株式市場600銘柄の値動きの平均を示す時価総額加重平均型株価指数です。

※本資料中の指数等の著作権、知的財産権、その他一切の権利はその発行者に帰属します。

  • World Economic Outlook Update、2025年7月:Global Economy:Tenuous Resilience amid Persistent Uncertainty
  • {https://policy.trade.ec.europa.eu/eu-trade-relationships-country-and-region/eu-position-world-trade_en;World Economic Outlook Update, July 2025: Global Economy: Tenuous Resilience amid Persistent Uncertainty}
  • {https://european-union.europa.eu/principles-countries-history/facts-and-figures-european-union_en;EU position in world trade - European Commission}
  • FactSet。米ドル建て。2025年8月14日現在
  • {https://www.axa-im.co.uk/investment-institute/market-views/market-updates/paranoid#:~:text=Equity%20analysts%20continue%20to%20expect,15%25%20for%20Q2%20so%20far;Paranoid, AXA IM}
  • {https://www.ecb.europa.eu/press/key/date/2025/html/ecb.sp250611_1~cd38594925.en.html#:~:text=Simultaneously%2C%20EUR%2Ddenominated%20bond%20issuance,five%20years%20(Chart%207);The euro area bond market}
  • {https://www.iea.org/reports/net-zero-by-2050;Net Zero by 2025, IEA}

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