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2026年のインフレ見通し:不確実性の中を進む

KEY POINTS

今後1年間は、必ずしも穏やかではないものの、より均衡の取れたインフレが予想される
米国の貿易関税の影響は、まだ完全には物価に現れていない
投資家にとってのリターンは、インカムゲインとインフレリスクへの特定の投資戦略のポジションから得られる可能性が高くなるとみている

2025年もまた、市場は方向性よりも緊張感に支配された年でした。この緊張感は金利市場で最も顕著に現れました。表面的には、インフレは緩和し、成長率は懸念されたよりも持ちこたえ、主要な中央銀行は概ね金利を引き下げるという単純な構図に見えました。

実際の状況はもっと複雑でした。各国政府は支出を続け(あるいは支出増を発表し)、財政赤字は拡大し、国債発行は政治的不透明感とともに増加しました。政策金利が低下する反面、タームプレミアム(償還までの長さに伴うリスクに対して求める上乗せ利回り)が上昇したことから、長期債市場の価格が下落(利回りが上昇)しました。先進国の国債利回り上昇にはばらつきがあり、頻繁に急反転する相場は、ボラティリティを求める投資家にとって格好の投資の機会となりました。

一方で、インフレも静かに収束に向かったのではありません。供給過多の原油市場で原油価格が下落したことも影響して、インフレ率自体は低下したものの、コロナ禍以前の水準を上回る水準に留まりました。

サービス価格のインフレは堅調に推移し、労働市場はある程度底堅く、企業側にも価格決定力が残っていることが示されました。昨年に予想した通り、こうした背景はインフレ連動債市場にとって相場の支えとなりました。インフレ加速が再び重要な意味を持つようになり、投資家はインフレ防御が単なるテールリスク(発生確率は低いものの、発生すると大きな損失をもたらすリスク)ではなく、不確実な世界におけるインカムであることを再認識することになりました。


均衡性の進展

2026年を見通すと、今年は昨年よりも均衡が取れているように見えますが、決して穏やかとは言えないでしょう。インフレ率は引き続き中央銀行の目標に近づいていくとみていますが、2010年代の低インフレ状況に完全に戻るという考えは後退していくでしょう。むしろ、重要なことはインフレがどこに落ち着くかではなく、どの程度のスピードでそこに到達するか、そして地域によってインフレ正常化の進展がどの程度異なるか、にあると考えています。

米国ではインフレが長引いています。内需は依然として堅調で、サービスインフレは鎮静化に時間がかかっています。その上、関税の影響はまだ物価に現れていません。インフレは鎮静化方向にはあるものの、一直線には進まないでしょう。米国のインフレ率は今年も3%近くになると予想され、このことは米連邦準備制度理事会(FRB)にとって、誰が将来の議長になるかにかかわらず、注意が必要な状況であることを意味します。

欧州は状況が異なります。原油価格の下落とユーロ高の影響が顕在化することで、今年前半にインフレ率がさらに低下し、欧州中央銀行(ECB)の目標を下回る可能性があると予想しています。インフレ率は長期的には2%近くで安定するとみていますが、その道筋は米国よりもなめらかになると考えています。英国はさらに一歩進んでいます。成長鈍化と労働市場軟化の可能性に促されて、インフレの正常化プロセスが早まれば2026年末のインフレ率は現在(執筆時)の市場予想を下回る可能性があるとみています。

成長自体は引き続き堅調に推移するとみています。人工知能(AI)関連の投資や株高による資産効果だけでなく、財政政策が中心的な役割を果たすでしょう。特に米国と欧州では、公共支出が景気循環を押し上げるとみています。これは急激な景気減速のリスクを減らし、中央銀行に慎重に動く余地を与えます。しかし、実質金利が依然として景気に対し抑制的な水準にあるため、中央銀行が賃金やサービスインフレの上振れリスクを引き続き警戒しているとしても、再利上げに向かうにはまだ条件が整っていないとみています。


ポートフォリオ配分にとってこの環境は何を意味するか

この環境にいる投資家は、より選択的なアプローチが求められるでしょう。政策方針が地域間で乖離しそうなときには、金利やインフレに対する大きな方向性を予測して投資するには見通しが難しくなると考えます。その代わりに、市場のリターンはインカムゲインやインフレリスクへの特定の投資戦略のポジションから得られる可能性が高くなるとみています。

こうした状況では、インフレ連動債戦略はポートフォリオに組み入れるのに有効な戦略と考えています。インフレリスクは現在、小幅な水準で取引されており、多くの市場でタームプレミアムには投資機会があるように思えます。この組み合わせは、興味深い非対称性を提供します。インフレが市場予想より強くなった場合、インフレ連動債戦略は資産の保護と耐久力を提供します。インフレが正常化を続けた場合でも、投資家は実質利回りの低下と分散投資から恩恵を受けるとみています。

新型コロナ禍後に広く得られた教訓は、インフレの不確実性は変化したのであって、消えたのではないということです。世界は細分化が進み、財政面が重要性を増し、政治的変動にさらに敏感になっています。その意味でインフレ連動債戦略は注意深く利用することによって、確実性が乏しくインフレが依然として重要性を持つ世界で投資を続けていくために、引き続き有効な戦略であるとみています。

過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。

(オリジナル記事は1月16日に掲載されました。こちらをご覧ください。)

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