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LDI と CDI の比較: ポートフォリオへの影響は?

主なポイント

LDI 戦略と CDI 戦略に関しては市場にはいくつかの迷信があり、これらソリューションから最大限の効果を得るためには、各戦略の特性を理解することが重要と考える
両者には類似点もあるが相違点も多く、それぞれの戦略の意味を理解することが、効果的な投資意思決定にとって極めて重要と見ている
機関投資家向けの戦略を構築する際には、顧客およびそのコンサルタントと連携し、すべての関係者が緊密に連携できるようにする

機関投資家にとって、負債を管理し、長期的なキャッシュフローを確保し、市場のボラティリティ(変動性)を切り抜けることは永遠の課題でしょう。顧客のニーズは時間とともに変化するだけでなく、2022年に英国で経験したリズ・トラス首相(当時)のミニ予算とその後の債券市場の混乱のような極度の市場ストレスも、機関投資家のアプローチに影響を与える可能性があります。年金基金や保険会社の大半は、直面する特定のリスクを管理するために、結果志向型のソリューションを導入しています。

そのうちの2つのソリューションが LDI(負債連動型運用)と CDI(キャッシュフロー主導型投資)であり、これらは機関投資家によって、異なる財務目標とリスク属性に対応しながら特定の成果を達成するために利用されています。この市場が進化し、顧客のニーズを満たすために拡大するにつれて、LDI と CDI の性質に関していくつかの誤解が出現しました:


迷信1:どちらか一方の戦略しか使えない

「LDI」と「CDI」の頭字語は響きが似ており、リスク軽減に重点を置いていますが、それらの目的は異なります:その名が示すように、LDI の目的は、負債の金利感応度とインフレ感応度をヘッジし、資金積立水準の変動を緩和することです。 これは通常、高品質で流動性のある資産を、典型的には資産の額面金額に合わせて活用することを通じて実現させています。デリバティブは流動性とレバレッジを提供するために使用されることがあります。

逆に、CDI ポートフォリオの主な焦点は、ポートフォリオが保有債券から受け取るクーポンインカムなどの自然収入(ナチュラル・インカム)を通じて、必要な現金支給を行うことです。必要なときに現金を供給する必要があるため、投資適格社債のような、相対的に確実性の高いインカムをもたらすクレジット資産が選ばれます。クレジットの売買にはコストがかかるため、レバレッジは通常用いられません。

これらの違いを考慮すると、投資家は負債をヘッジするためのLDI ポートフォリオと、キャッシュフローを合致させるための CDI ポートフォリオの両方を利用することができ、この2つは相互に排他的なものではないことが明らかになります。実際に CDI ポートフォリオは金利エクスポージャー(金利へのかかわり度合い)をもたらすことから、既存の LDI ポートフォリオを持つ顧客にとって、LDI が抱える金利エクスポージャーのレバレッジ縮小と分散化に役立つ追加投資となる可能性があります。

下図は、機関投資家のニーズを満たそうとする目的で、幅広く資産クラスを組み合わせるとともに、両戦略をどのように組み合わせることができるかを示しています。

出所:アクサ IM、2025年5月30日現在。上記グラフは例証のみを目的としています

迷信2:どちらも同じ投資スキルセット(業務に必要な技術や知識等の組み合わせ)を必要とする

迷信1が述べているように多くの共通点がある一方で、これらの戦略を実行するための手段には大きな違いもあり、マネージャーに求められるスキルも異なります。明確な例として、ソブリン債(国債や政府機関債)との正確な合致に焦点を当てた LDI は、負債のキャッシュフローを正確にヘッジし、レバレッジによる担保と流動性を管理する能力につながります。これとは対照的に、CDI 戦略はクレジットの比重がはるかに重くなるため、クレジット調査とリスク管理、さらに発行市場と流通市場の両方で大規模なクレジット取引を行う能力が重要なスキルセットとなります。クレジット/発行体リスクの観点から監視すべき発行体の数に関する数値を示すと、LDI戦略の ポートフォリオはソブリンまたは準ソブリンから1件または数件の異なる発行体しか保有しないことが多いのに対し、CDI戦略に関連する世界のクレジットユニバースには2,500を超える発行体による20,000を超える債券があり、それぞれが固有のリスクを抱えています。

上記が LDI 運用者と CDI運用者の間に求められるスキルの明確な違いを強調していると考えます。

迷信3:LDI や CDI はあまりメンテナンスの必要がないポートフォリオである

通常の国債戦略やクレジット戦略は利用可能であるものの、負債エクスポージャーを正確に一致させ、顧客固有のキャッシュフローを提供するという、機関投資家顧客の結果志向の目的に合致する可能性は低いと思われます。さらに、継続的なリスク監視と管理は、上述のように重点を置く分野は異なりますが、LDI と CDI の両戦略の重要な部分です。クレジット戦略のポートフォリオでは、短期的な戦術的売買ではなく、発行体の長期的なファンダメンタルズを重視する「バイ・アンド・メインテイン」のアプローチが、ポートフォリオの市場環境の変化への適応を助けるだけでなく、持続可能性など他の側面を投資プロセスに組み入れることを可能にすると考えます。これは、パッシブ運用ではそれほど効果的に実施できないものです。

アクサ ・インベストメント・マネージャーズ(アクサIM)グループのパートナーシップ・アプローチ

LDI 戦略と CDI 戦略の類似点と相違点を理解することは、効果的な投資意思決定を行う上で極めて重要です。それぞれが総合的なソリューションである一方、必要とされるスキルセットは異なります。

LDI または CDI 戦略を構築する際、アクサIMグループでは顧客およびそのコンサルタントと連携し、すべての関係者が緊密に連携できるようにします。CDIポートフォリオの場合、顧客の LDI運用者と協力し、スムーズな導入手続きと継続的な情報共有を確保すると同時に、アクサIMグループの債券運用戦略のメリットも提供します。

過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。

(オリジナル記事は6月27日に掲載されました。こちらをご覧ください。)

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