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【新興国小型株戦略】 新興国株式への資金流入拡大、株価を押し上げ – 構造変化が生み出す新たな成長機会


新興国小型株へのいざない(2025年8月)

新興国株式への資金流入拡大、株価を押し上げ 

~構造変化が生み出す新たな成長機会~

 

■新興国小型株市場に広がる投資機会

海外投資家の新興国株式投資が拡大しており、新興国の株価が上昇しています。この背景には、堅調な新興国  経済、ドル安・新興国通貨高に加え、米国金利上昇サイクルが終了局面を迎えつつあることが挙げられます。さらに、  外資系企業の「脱中国」の動きも重なり、中国を除く新興国の企業に様々な好影響をもたらしています。こうした流れは、とりわけ割安感と成長力を兼ね備えた新興国小型株にとって強い追い風となっています。


■海外投資家による新興国株式投資の増加

FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げは最終局面に近づき、市場では米国金利のピークアウト観測が  広がっています。その結果、相対的に高い成長期待を持つ新興国資産の投資妙味が再評価され、海外投資家に  よる新興国株式投資が拡大しています。

国際金融協会(IIF)の国際資本調査によれば、7月の新興国株式市場全体への 資金流入は163億ドル(約2兆4,000億円)に達し、昨年9月以来の高水準になりました。 特に、中国以外の新興国(ブラジル、メキシコ、南アフリカなど)で資金流入が目立ち、指数全体を押し上げています。

こうした流れを背景に、MSCI新興国株価指数は年初来で21.72%(8月25日時点)と堅調に推移しています。これは、同期間におけるS&P500種株価指数の10.13%を大きく上回るパフォーマンスです。1

この背景には、堅調な新興国の財政や経済の健全性を投資家が再評価していることがあります。多くの新興国は  現在、相対的に健全な財務基盤と低い債務水準を維持しつつ、高い経済成長を維持しています。さらに、米ドル安・新興国通貨高のトレンドにより、米国資産の魅力は相対的に低下し、より高い成長性と利回りを持つ新興国資産への資金流入を促しています。また、投資家は関税や地政学情勢に関する不確実性を考慮し、近年上昇を続け   バリエーションが高騰する米国株に偏ったポートフォリオ構成を見直し、リスク分散を進めています。

今後、FRBの方針転換で米国の金利が低下すれば、米国と新興国の金利差拡大により、さらなるドル安・新興国 通貨高を通じて新興国への資金流入が強まる可能性があります。また、世界の投資家は資産配分の分散を進める 中で、特に割安感と成長力を兼ね備えた新興国小型株への関心を高めると考えられます。

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「脱中国」がもたらす新興国小型株の投資機会

米中の地政学的対立や関税圧力、中国政府による規制・監視強化などを背景に、外資系企業が中国での事業を縮小・撤退したり、中国での事業計画や設備投資を慎重に検討する傾向が拡大しています。外資系企業はサプライチェーンの再構築を進めており、これにより中国を除いた新興国の戦略的重要性が高まっています。外資系企業による新興国への設備投資や拠点拡大が続き、現地生産比率を高める中で多くの新興国の中小企業が裾野産業として関与するようになっています。

●アップル:iPhone製造を中国からインドに移管

典型例がアップルです。同社は米国市場向けiPhone製造を中国からインドに順次移しており、2025年4~6月期の米国 向け出荷では、初めてインドが中国を抜きました。今後、中国での米国向けiPhone生産をさらに縮小し、インドでの生産を拡大する意向です。アップルはまた、ベトナムでのiPad、MacBook、Apple Watch生産も拡大しています。アップルの動きに伴い、 主要サプライヤーもインドや ベトナムでの生産を拡大しています。現地生産比率を高めるため、インドで200以上の中小企業がアップルのサプライチェーンに関与するようになっています。

アップルはインドのiPhone向け工場で、サプライチェーン強化のためロボット工学トレーニングを実施(※写真はイメージです)

●インテル:中国リスクを回避へ。マレーシアで先端パッケージング工場拡張

米半導体大手のインテルも、中国依存の製造リスクを回避するため、マレーシアで70億ドルを投資し、半導体の先端パッケージング工場を拡張しています。同社はまた、ベトナムの既存拠点拡大で追加投資を行っており、インドでは   設計・開発拠点を拡充するなど、中国以外の新興国で事業基盤を強化しています。

●シーメンス:中国市場を長く重視してきたものの、インドや東南アジアで事業強化

中国市場を長く重視してきた大手シーメンスも、事業戦略を見直しています。中国依存リスクを回避すべく、インドや 東南アジア(主にシンガポール、タイ)の成長市場での事業を強化しています。中国の現地顧客対応は継続して  いますが、新規投資は限定的にしつつあります。

欧米の主要企業が新興国での生産を拡大することで、そうしたニーズに対応できる新興国企業がさらなる成長と進化を遂げる可能性が高まるとみています。特にニーズの変化に機敏に対応でき、国内においてビジネスモデルを調整して いける小型企業に、私たちは注目しています。


■新興国小型株への追い風に

トランプ政権の関税攻勢や米中対立など、世界経済が一時的に混乱する可能性は残されています。しかし中長期的には、こうした環境下でも新興国小型株には追い風が吹いています。輸出依存度の高い大企業は関税等の影響を受けやすい一方で、新興国小型株は外部要因の影響を受けにくく、国内市場の成長を享受できることが大きな特長です。


引き続き、新興国小型株戦略では内需に立脚した相対的に良好な小型企業を発掘し、長期的なリターン獲得を目指してまいります。

 

※企業への参照は例証のみを目的としており、個別銘柄への投資を推奨するものではありません。

過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。

※本資料で使用している指数について
MSCI新興国株価指数は、MSCI社が公表している新興国の株式市場の値動きを示す時価総額加重平均型指数です。
S&P500種株価指数は、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出する米国の500社の値動きの平均を示す時価総額加重平均型株価指数です。
※本資料中の指数等の著作権、知的財産権、その他一切の権利はその発行者に帰属します。

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