
米大統領選挙は 企業の投資増加に水を差すか?
- 2024年6月7日 (10 分で読めます)
企業の投資は増加しているが、政治が消滅させるか?
パンデミックの発生により、米国は経済の混乱に見舞われたものの、その後は予想外の力強い成長へと転じました。この傾向を支える要因の1つは、投資支出のやや異例で非周期的な性質です。従来であれば金利上昇に伴い経済の変動が高まり、投資支出が急減すると考えられますが、現在(執筆時)は、投資支出は堅調さを持続しています。これには、コロナ禍後の反動、サプライチェーンの安全性強化の必要性、オンショア(国内回帰)、ニアショア(近隣への回帰)、あるいはフレンドショア(友好国への回帰)への幅広い要望など、いくつかの要因が関係していると思われます。しかし、米国の投資支出の著しい改善の一因は、バイデン政権が2021年と2022年に打ち出した1.5兆ドルに及ぶインフラ支出にあると考えています。
本稿では、近年の投資支出の改善規模を定量化することを試みます。コンピューター・電子機器分野の成長に関連した建設支出が大きな割合を占めており、構造物への投資が大幅に増加することが確認されています。次に、この増加が次期大統領選挙によって脅かされるかどうかを検討します。異なる選挙結果が投資支出の見通しに与える影響の可能性を検討します。
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