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グリーンボンド、ソーシャルボンド、サステナビリティボンド Q&A:社会的インパクト投資の広がり

  • 2023年6月23日 (5 分で読めます)

サステナブルボンド(グリーンボンド、ソーシャルボンド、サステナビリティボンドの総称)は債券ポートフォリオへのインパクト投資の代名詞となっている、成長中のアセットクラスです。このアセットクラスへの関心が高まり続けており、背後にあるニュアンスを理解する必要も高まっています。

パート1ではグリーンボンドについて触れました。パート2ではソーシャルボンド、サステナビリティボンドについてよく聞かれる質問のいくつかと、アクサ IM が持続可能な経済への移行をどのようにサポートしているかをご紹介します。

1. 投資家は社会的インパクト戦略を探すにあたり、何を考慮すべきですか?

ソーシャルボンドの発行はグリーンボンドと同様、特定の基準に従う必要があります。つまり、プロジェクト全体で関連する重要業績評価指標(KPI)により測定できる高い水準の透明性と明確な成果を提供する必要があります。残念ながら、このような基準のレベルや質は様々であり、したがって社会的インパクト戦略を構築する際には、プロジェクトを徹底的に理解し、発行体と定期的なコミュニケーションをもつことが重要になります。

アクサ IM では、当社独自のサステナブル債フレームワークによる認証を受けたソーシャルボンドおよびサステナビリティボンドにのみ投資します。このフレームワークは透明性が高く測定可能なインパクトを提供し、信頼度の高い持続可能な戦略をもつ発行体だけが確実に選択されるのに役立つと当社は考えます。

ソーシャルボンドの発行体数は過去2~3年間に増加したものの、まだ大きな市場ではありません。したがって、より分散された社会的インパクト戦略を得るには、ソーシャルボンド以外に目を向けることが重要です。環境、社会、ガバナンス(ESG)の基準が高く、社会に関する国連の持続可能な開発目標(SDGs)にプラスの貢献をもたらす発行体によるサステナビリティボンドおよび従来型債券が、多様化を提供する2つの源であると当社は見ています。

このように対象範囲を拡張することで、社会的インパクト債券戦略は、インパクトの信頼度という目標を達成しつつ、流動性、分散、利回りも向上します。

2. サステナビリティボンドはかなり新しい分類ですが、何を知っておくべきでしょうか?

目標を達成しない場合にクーポン支払い金額が高くなり、目的が気候に関する誓約に拘束されたサステナビリティリンクボンドと混同しないようにします。サステナビリティボンドは、グリーン・イニシアチブと社会的(ソーシャル)イニシアチブを組み合わせたプロジェクトに融資または再融資するものです。

一部のグリーン・プロジェクトは社会的副産物をもたらす可能性があり、同様に一部のソーシャルボンドはグリーン面での副産物をもたらす可能性があるため、「サステナビリティボンド」の分類は、発行体が自社プロジェクトをできるだけ正確に位置付けるのに役立ちます。  サステナビリティボンドは透明性の高いKPIを提供し成果志向であるべきという点でグリーンボンドやソーシャルボンドと類似のベストプラクティス指針に従います。

このサブアセットクラスは5,070億ドル(約71兆円)の運用資産残高1 に上るまでに着実に成長し、セクター面でますます多様化していますが、サステナビリティボンドはまだ、より広範なサステナブルボンドポートフォリオの一部として考えるのが最適と当社は考えます。

3. アクサ IM は、どのように関連性があり効果的な方法で持続可能な経済への移行を推進していますか?

アクサIMが市場との関連性を保ち、サステナブルボンド市場のリーダーの一員であり続けるために、主に3つの方法に注力しています。

保守的なサステナブルボンドの枠組み

当社のサステナブルボンドフレームワークは、適格なグリーンボンド、ソーシャルボンド、サステナビリティボンドを定義かつモニタリングするための堅牢なプロセスを提供します。このフレームワークは当社のより広義の債券プロセス内にあり、単なる環境、社会、ガバナンスの統合以上のものを網羅します。当社独自のサステナブルボンドフレームワークを通して、測定可能なインパクトを提供できる信頼度の高いプロジェクトをもつサステナブルボンドのみが含まれる、保守的な債券の選択を投資家に提供するのが目的です。 

継続的なエンゲージメント

サステナブルボンドフレームワークが、当社の投資判断プロセスにおいて中核的な役割を担いますが、発行体とのエンゲージメントもプロセスの成功に重要であると当社は考えます。  当社では責任投資専任アナリストを通して、年間およそ60のグリーンボンド、ソーシャルボンド、サステナビリティボンド(GSS)発行体と関与し、あらゆるアクションが継続管理の対象となり、進歩があるよう発行体とプロセスを設定しています。これによりエンゲージメントが有効であり続け、発行体が引き続きコミットメントを実行していることを確認できます。

たとえば2022年には、当社は54の発行体と対話を持ちました。当社の主な焦点は、国際資本市場協会(ICMA)のグリーンボンド原則の推奨事項との整合を超えて、発行体のサステナビリティ戦略およびフォワードルッキング目標の整合性について討議することでした。環境、社会、ガバナンス(ESG)の具体的な目標を設定する発行体の数が増えるなど、いくつかのポジティブな成果が見られました。一方で、当社の期待が高いため、複数の発行体で見られたESGプロファイルや野心的目標の乏しさは、2022年に一部のGSS発行を不適格と判断する上で重要な要因となりました。

これとは別に、当社はGSS発行体と「著しい害をもたらさない(DNSH)」というEUタクソノミー原則および最低限の社会的なセーフガード(MSS)に関する対話も行いました。タクソノミーの技術的基準に整合する発行体が増えている一方で、DNSHやMSSに関する状況は非常に異なります。発行体は、これらの基準を統合する適正な方法を見出すのに苦慮しています。これらの基準に包括的で認証された定義がないことから、これは無理もないと言えます。このことは、当社の2023年のGSS発行体とのエンゲージメントの優先事項のひとつになるでしょう。

サステナブルボンド市場の発展を推進

当社は、グリーンボンド戦略で最長の実績を誇る経験豊富な責任投資マネージャーとして、専門知見をより広い市場に提供し、健全なサステナブルボンド市場の構築に役立てるべきと考えます。  当社は業界団体への加入や、上述のような発行体への指針の提供など、様々な方法でこれを実現しています。また、引受銀行とも定期的に対話を行っています。この種の対話の多くは、GSSに対する当社の適格基準や具体的なケースに関する当社の見解、または発行体へのより広義のESG期待事項を共有することを目的としています。銀行は、当社のインサイトを発行体側の広い顧客ベースと共有できるため、これは当社の見解や期待を市場に広めるのに極めて有効な方法と考えます。このような交流が、環境と投資家にとって全般的により良い慣行を支援すると当社は考えています。

(オリジナル記事は6月7日に掲載されました。こちらをご覧ください。)

 

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