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米国投資適格債の機会と展望

  • 2023年9月20日 (5 分で読めます)

キーポイント

  • オールインの利回り水準は、額面を下回る債券価格から見て魅力的なプル・トゥ・パー(満期が近づくにつれて価格が額面に近づく)の見通しと相まって、米国投資適格債に対する魅力的なエントリーポイントを投資家に提供している

  • 米国経済に関する懸念から、当社は景気敏感セクターに対して慎重な態度を取り、よりディフェンシブなセクターで機会を追求している

  • 短期デュレーションが引き続き魅力的だが、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策が将来どのような軌道を描くかによってデュレーションを伸ばす可能性がある

現在の市場環境

米国投資適格債のファンダメンタルズは依然として強力であり、発行体の企業や金融機関は、金融政策の引き締めがもたらした借入コストの上昇におおむね対応してきました。最近発表された一連の四半期決算報告で確認された通り、全般的にバランスシートも依然として健全です。このため当社では、米国経済がある種の緩やかなマイナス成長に入ると予想しているものの、これまでの景気後退で経験したような信用環境の悪化を伴うとは見ていません。

米国投資適格債の投資家は、2009年以来経験したことのない利回り水準を引き続き享受できますが、これは主として、FRBが2022年初頭以来500bps以上金利を引き上げたことによって国債利回りが上昇したためです。米国投資適格債は、未だに国債と比べてスプレッドで125bp(ベーシスポイント)ほど利回りが高くなっていますが、米国経済が以前の予想よりも底堅く推移してきたことから、スプレッドはここ数カ月で縮小しています。これはトータルリターンの観点からは、ICE BofA 米国コーポレート指数が力強いパフォーマンスを上げたことを意味し、2023年8月31日までの+2.97%のリターンは、米国債指数(+0.64%)と比べて233bpsのアウトパフォーマンスとなりました。

米国が緩やかな景気後退に入るとすれば、スプレッドがある程度拡大する場合も予想されますが、投資家が現在の6%近い利回りで投資を行うとすれば、2021年に利回りが一時的に2%を下回った近年の状況と比べると、投資家が債券への投資で損失を被るという見通しは今や大幅に減少したと考えてもよい程のバッファーがあります。これに加えて、スプレッドの拡大があっても買い手に困ることはないと想定できるほど、需給要因は依然として強力です。

米国投資適格債市場のドル建て平均価格は依然として88と額面割れになっていますが、これは企業のファンダメンタルズや発行体の借り換え能力を反映しているのではなく、金利の昨今の推移に関連しています。従ってこれは、投資家が投資開始時の利回りだけでなく、債券価格上昇からも利益を得る可能性があることを意味します。これらの債券価格が償還期限に達するにつれて額面に近づくからです。このプル・トゥ・パーは、償還期限が平均して短い短期デュレーション戦略ではより短い期間に起きます。

リスクフリー金利が上昇した結果、短期金融市場商品とキャッシュの相対的な魅力が上昇しましたが、中期的には、市場がまだ利下げの現実的な見通しを織り込んでいないとしても、キャッシュ金利は現在の高い水準から下がると考えられます。

従って、投資家は投資適格社債に投資することで、短期金融市場への投資をたとえば3カ月毎に(その度に前回よりも潜在的に低いレベルで)ロールオーバーする必要なく、当面の間その利回りを固定することで利益を得られると当社は考えます。

セクター的に見た機会

新規発行市場は、米国経済への懸念にもかかわらず、発行量は減ったものの未だに強い需要があり健全な状態を保っています。当社は比較的ディフェンシブなセクターを選好し、公益事業、通信サービス、ヘルスケア、消費財といった分野でバリュエーションが魅力的な機会を見出しています。リスクを考慮した後、当社は、企業が新発プレミアムで発行する場合をとらえて投資する機会を加えています。

銀行セクターでは、最近の決算報告で環境の安定化が確認されました。複数の地方銀行が今年に入って破綻した後、預金基盤は保持されています。これは債券の発行額増加につながる可能性があり、当社としては、今年に入って規模を縮小した一部の大手金融機関に再び慎重に投資するための機会となる可能性もあります。

今後の展望

米国投資適格債市場の見通しは、マクロ環境および2023年に景気後退に入る可能性から依然として影響を受けており、これが社債スプレッドに対するセンチメントの重しになる可能性があります。とは言っても当面のところ、経済が予想よりも好調に推移しているために、投資適格債市場は、国債よりも高いリターンを提供しつつ、魅力的になっています。

短期デュレーション戦略はプラスのリターンを上げており、これが今後も続く可能性があります。より長期の部分では、現状の利回りが短期より低くまた金利市場が引き続き変動を続けているにもかかわらず、総合的に見てデュレーションの拡大はある段階で合理的と当社は考えます。FRBは今年いっぱい政策を据え置き、来年半ばにかけて政策緩和を始める可能性があると当社は見ているからです(市場価格がまだそのようなシナリオを織り込んでいないとしても)。このシナリオでは、クーポン収入に加えてより大きな価格上昇のポテンシャルがあり、インターミディエートおよびフル・デュレーション戦略がより魅力的に見え始めるでしょう。

現時点では、マクロ状況の透明度が高まるのを待ちつつ、当社は慎重な姿勢を保ちます。この不透明性をもってしても、高クオリティな債券が6%近い利回りを提供する現在、投資適格債の投資家はマクロの状況が明確になるのを待ちながら利益を得ていると当社は考えます。

企業および部門への参照は例証のみを目的としており、投資の推奨と見なされるものではありません。

(オリジナル記事は9月6日に掲載されました。こちらをご覧ください。)

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