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ユーロ圏経済の見通しとリスク

  • 2020年7月29日 (15 分で読めます)

  • 復興基金合意も経済回復ペースは緩やか: 経済活動の再開を反映して、ユーロ圏の景況感には底打ちの兆しを見せつあるものの、感染拡大の各国の経済活動は低水準に留まっている。こうしたなか、EU(欧州連合)首脳が合意した7,500億ユーロの復興基金『次世代のEU』は、同時に合意した1兆740億ユーロの多年度財政フレームや、4月に合意された5,400億ユーロの危機対応融資枠とともに、経済回復のけん引役になると期待されている。加えて、危機に際してEUの連帯を示し、共同債の発行という将来的な財政統合の第一歩としての意義も大きい。しかし、復興基金による経済刺激効果は即効性に欠ける点には留意が必要だ。結果的にユーロ圏経済の回復ペースは依然として緩やかなものにとどまると見込まれ、経済の脆弱性も残り続けることになる。
  • EUとECB(欧州中央銀行)が南欧国債の安定を支える: EUの経済回復が緩やかなものにとどまったり、感染の拡大により経済活動の抑制が再び強まる場合には、イタリアやスペインなど南欧諸国の国債利回りが再び不安定化するリスクに注意を要する。特に、経済回復の遅れに伴って、賃金補助を伴う時短勤務制度により抑制されてきた失業が急増する事態が懸念される。こうした状況において、EUが提供する危機対応融資やECBによる流動性支援策は、ユーロ圏経済の下方リスクを軽減し、南欧国債の安定を維持するのに今後も重要な役割を担う。当社では、ECBがパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の再拡大と期限の延長を決定すると予想している。
  • ユーロ圏が抱える新興国債務リスク: EU域内の感染再拡大リスクのみならず、世界的な感染拡大による新興国経済への悪影響についても警戒が必要だ。世界経済が二番底を迎えた場合のリスクシナリオとして、ユーロ圏の銀行が抱える新興国債務の信用悪化が、域内の金融システムに波及する潜在的なリスクがある。スペインやフランスの銀行が保有する新興国向け債権は、金融危機後も高水準にとどまり、特にスペインの金融機関の新興国エクスポージャーは、感染拡大が続く南米に集中している。また世界的な経済活動が再度のロックダウンに追い込まれた場合、金融市場のリスクオフや資源価格の下落とともに、新興国からの資本流出が再び強まる事も想定されるため、こうしたリスクが顕在化した際には、南欧国債の安定が揺らぐ可能性に留意しておきたい。

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