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債券

グリーンボンドについて専門家に聞く

  • 2022年5月10日 (5 分で読めます)

「グリーンボンド・ユニバースは、従来型債券に代わる魅力的な選択肢」 

慎重に選択さえすれば、グリーンボンドには、気候変動に対するポジティブな影響だけでなく、投資リターンの観点からも、責任ある投資家にとって大きなメリットがあります。アクサIMの債券マネージャーであるヨハン・プレが、急成長するこの市場の現在の課題と投資機会を説明します。 

グリーンボンド市場が急成長している理由は? 

これは、発行体や投資家がカーボンニュートラルに向け数々のコミットメントを行うなど、気候変動に対する危機感の高まりに呼応するものです。また、規制当局が企業に対して、気候変動への取り組みについて報告を求めるようになったことも、その背景にあります。  

グリーンボンドは理想的な運用商品です。というのも、グリーンボンドにおいては、投資家が資金をアロケーションできる特定のプロジェクトを発行体が示すことができるからです。資金使途の透明性が高まることも、従来の債券と比較した場合に大きなメリットとなります。投資家にとっては、これはリスクを減らし、機会をとらえる手段です。投資家は、グリーンボンドを選択する際には、資金対象のプロジェクトだけでなく、発行体の全体的な戦略も考慮することが求められます。そのため、投資家は気候変動の影響を最も受けやすい発行体を避け、代わりに需要の変化を最もうまく利用できる発行体に的を絞ることができます。  

アロケーションにおけるこのアセットクラスのメリットは? 

グリーンボンド・ユニバースは、バランスの取れたリスクプロファイルを有しています。ユニバースの半分が企業の発行体であり(伝統的な債券ユニバースでは25%)、金利感応度は比較的似ています。ここ数カ月の金利上昇と信用リスクプレミアムのワイド化により、グリーンボンドは従来型債券と比べ、魅力的な存在となっています。  

グリーンボンド市場で投資家は、アクティブ運用とパッシブ運用のどちらを選ぶべき?  

グリーンボンド市場でより適切なのは、アクティブ運用だと思います。全てのグリーンボンドが同じではなく、ユニバース全体でやみくもに投資すべきではありません。グリーンプロジェクトはあるものの、気候プロファイルを改善する意欲のない一部の発行体にも投資してしまうことになるからです。アクティブ運用では、この種の発行体を除外することができます。その例として挙げられるのは空港でしょう。エネルギー性能を向上させるプロジェクトを推進する一方で、(二酸化炭素排出を増加させる)航空輸送の拡大・発展を続けています。これはグリーン投資家にとって矛盾することです。 

なお、「グリーニアム」をアクティブ運用で活用することで、超過リターンを得ることが可能になります。これは、グリーンボンドへの旺盛な需要により、同じ発行体のグリーンボンドと従来型債券の間にわずかな価格差(利回り差)が見られることを意味します。このプレミアムは小さいながらも、時間が経つにつれ大きく変化します。例えば(2020年に発行された)ドイツの10年グリーン国債の場合、グリーニアムが発行時には1ベーシスポイント(bps)だったのが一時7bpsになり、その後5bpsに戻りました1 。アクティブ運用マネージャーは、このダイナミズムを利用することができます。 

どのようなイノベーションにより運用商品を拡大したのか? 

一部のグリーンボンド投資家は、利回りと制約のないデュレーション管理を求めています。そのため当社は、グリーンボンドの発行数が増加しているハイイールド債やエマージング債の発行体に焦点を当てた、より集中的な戦略を立ち上げました。柔軟なデュレーション管理により、市場サイクルを乗り切ることが可能です。  

また、雇用の維持や教育へのアクセスなどをターゲットにしたソーシャルボンド戦略も構築しました。この市場はコロナ禍でも堅調な成長を見せ、3,200億ユーロ2 を超える市場となっていますが、まだ十分に分散化されていません。そのため当社は、サステナビリティボンド(環境プロジェクトと社会プロジェクトを組み合わせたもの)や、最大25%までは持続可能な開発目標に適した発行体の従来型債券にも投資することを戦略としています。 

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