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社会

社会のデジタルデバイドへの架け橋:投資家はどのような形で貢献できるか

  • 2022年11月8日 (7 分で読めます)

キーポイント

  • デジタル技術にアクセスできる人々とそうでない人々の間にある「コネクティビティ・キャニオン(ネット接続環境の大きな落差)」が拡大している

  • これは、教育、雇用、医療、その他の面で大きな影響を及ぼし、経済成長を妨げ、社会的不平等を深めることになりかねない

  • 投資家はデジタルデバイド(分裂、デジタル技術利用における格差)への対処を支援することで、一役買うことができる

デジタル・コネクティビティを当たり前のように思っている人々にとっては信じがたいように思えるかもしれませんが、世界人口のおよそ3分の1には未だにインターネットへのアクセスがありません。1

国際連合による最近の報告では「ハイパーコネクト(高度に接続)した人々と、デジタル面で極めて貧困な人々の間でコネクティビティ・キャニオンが拡大」しており、デジタル技術とそれがもたらすあらゆるメリットにアクセスのある者とない者の間のデジタルデバイドが著しいギャップを生んでいることを明らかにしています。

「Global Connectivity Report 2022」によれば、29億人がインターネットにアクセスできず、さらに数億人が高価でありながら低品質のインターネットサービスにしかアクセスできていません。

低所得国におけるインターネット利用率が高所得国に比べてはるかに低く(低所得国の22%に対して高所得国は91%)、都心部のインターネット利用者の割合が農村部の2倍に上ることは想像に難くないことです。男女間の分裂もあります。世界的には、男性の62%がインターネットを利用するのに対し、女性では57%になります。

インターネットにアクセスできないことは、教育、雇用、医療、起業などに深刻な影響を及ぼし、経済成長を妨げ、社会的・世界的な不平等を深めることになりかねません。

デジタル面での男女格差だけで、経済的ポテンシャルの損失は1兆ドルを超えると推定されています。2 そしてデジタル化率の高い国は、インターネットの利用率が低い国に比べて、新型コロナウイルス・パンデミック中の経済回復力が高かったと言われています。3

インフラおよびサービスへの需要

投資家は様々なセクターの企業に資本を向けることで、この課題に対処しデジタルデバイドを縮めるために重要な役割を担うことができます。

この問題の核にあるのは、コネクティビティを生み出すために必要なテクノロジーとインフラへのアクセスです。デジタル・インクルージョン(包摂)とは、テクノロジーが誰にでもアクセスできるようにすることを意味します。そして、スマートフォンやデジタル機器の実質コストは下がっていますが、一部の発展途上国では特に、インターネットの利用にまだコストがかかります。

ヘリオス・タワーズのような企業が取り組んでいるのがこの点です。英国を拠点とするこの通信会社は、アフリカ諸国で通信タワーを建設・運営し、固定回線インフラがほとんどない地域の人々や企業に、真に必要な音声・データサービスを提供しています。欧州ではインフラストラクチャ・ワイヤレス・イタリアン(INWIT)が農村地域への接続網を提供し、新型コロナウイルス・パンデミック中は病院によるリモートケアの開発を支援しました。4

オンラインの整備ができると、今度は十分な各種サービスを受けていなかった人々に直接対応するサービスが必要となります。例えば、インドネシアでは人口の4分の1近くが銀行口座を持っていませんが5 、同国のラキャット銀行(Bank Rakyat)のような企業は、スマートフォンからアクセスできるデジタルバンキングサービスを提供し、人々が起業しビジネスを成長させる支援を行い、起業家自身とその家族の金銭的展望を改善し、インドネシアの経済成長に寄与しています。米スクエアのような決済サービス企業が市場に参入したことで、規模が極めて小さい企業はオンラインやカードによる決済を受け入れる能力が高まっており、これにより小売業者は事業を拡大し、経済的に力を得るようになります。

デジタルリテラシーは必須

しかしデジタルデバイドが存在するのは新興国だけではありません。米国では、約2,400万人は高速接続環境になく、さらにインターネットのない人口はそれよりはるかに多数ですが、その理由のひとつにデジタルリテラシー(様々なデジタル技術を使いこなす能力)の不足があります。6

デジタル技術を使用するのに十分なスキルをもつことが不可欠です。世界経済フォーラムでは、2030年までには10件の求人のうち9件でデジタルスキルが求められると予測していますが、欧州においてさえ、人口のほぼ半数近く(42%)に基礎的なデジタルスキルが欠けています。7 これはデジタルデバイドの重要な要素であり、各国政府はその対策を講じています。7月に米国のバイデン大統領が、農村のコミュニティ向け高速インターネット・プロジェクトの支援資金として4億ドルを超える貸付金および補助金を発表ししました。一方、欧州ではこの問題への対処を意図した欧州委員会の方針の一環として 「欧州スキルアジェンダ」 および「デジタル教育アクションプラン」があります。8

民間部門では、IDPエデュケーションのような教育プロバイダーがオンライン学習を利用し、学生がデジタルスキルを改善するだけでなく、目標達成に向けた勉学に対する支援を行っています。例えば新興国の学生に英語を学習するためのアクセスおよび柔軟性を提供し、世界中の大学に送り込むなどです。

世界的投資への需要

世界経済フォーラムによれば、今後5年間に大多数の人口にインターネットがアクセスできるようにするには、2.1兆ドルの投資が必要となります。9 これは医療、教育、金融サービスなどの分野におけるデジタルソリューションの開発およびデジタルスキルの教育を含みます。

ただし生活費の危機が長引く中、人々が居住費、食費、光熱費など、他の分野への出費を優先する理由から、オフラインの生活を余儀なくされる人々が増えるリスクがあります。

政府と企業は、デジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)を引き起こすために連携する必要があります。例えばデジタルインフラの更新および拡張への投資、競争的市場を育みインターネットのユーザーを安全に保つための規制の設定、さらには教育やデジタルスキルへの投資があります。

投資家にとって、これらの分野で事業を営む企業を後押しすることは、投資リターンの達成を目指しつつ、デジタルデバイドの縮小に寄与するためのひとつの方法です。そして、より接続した世界の創造をとおしてこそ、より豊かな起業家精神、金融包摂、ひいてはより強力で持続可能な世界経済を伴ったデジタル平等が実現するのです。

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