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安全 – ソーシャルプログレス(社会向上)を支える重要な要素

  • 2022年11月17日 (5 分で読めます)

キーポイント

  • 安全は、人間の基本的なウェルビーイング(身体的、精神的、社会的に良好な状態)の主要ニーズのひとつである

  • 世界的に不安定な状況および健康危機が、既存の不平等を悪化させている

  • 責任ある投資家は、こういったギャップを埋めようとしているパイオニア企業に資本を配分できる

市場の混乱が長引き予想困難な時期には、注目度の高い重大な世界的危機とそれへの対処方法のみに焦点を当ててしまいがちです。しかし人道的側面および、資源と富の不平等が世界のコミュニティ全体に及ぼす重大な影響を考慮することは、同様に重要です。私たちの多くが、安全を当然のものと思うほど幸運に恵まれています。しかし、これは世界の数百万という人々にとってはそうではなく、安全で必要最低限な生活水準やウェルビーイングの条件が限られているか、不在の状態です。1 新型コロナウイルス・パンデミックの影響もまた、人々の精神衛生に対して長期的で著しく有害な影響を増幅させていることがわかっています。2  長引く地政学的変動および金融的な不確実性により、深刻な生活費危機を背景として新たに数百万人が貧困層に陥ることで、すでに大きくなっていた分裂がさらに広がる様相を見せています。3

米国の心理学者アブラハム・マズローは、すべての人々がやる気を起こすために満たす必要のある生理・心理面での基本的欲求の階層を打ち立てました。健康、経済、負傷の回避を含む個人的安全とセキュリティは、基本的な栄養の次に根本的かつ重要な要件と見なされています。ポジティブな行動として認められている国際連合の世界的フレームワーク「持続可能な開発目標(SDGs)」は確かに、世界の人々の良好な健康とウェルビーイングの重要性を認めたSDG 3および、平和、正義、強力な制度を促進するSDG 16を含みます。4

資産運用会社としては、世界中でこれらのことを最も必要とする人々に対してその実現を支援し、安全とセキュリティへの基本的人権をさらに万人にアクセス可能にするために、どのような役割を果たせるでしょうか?以下では、ソーシャルプログレス(社会向上)を引き起こす重要な柱として、安全という補足的かつ投資可能なサブテーマを形成する企業数社を挙げています。

毎年10億人を超える労働者が危険な環境に置かれており、健康への有害な影響が深刻でありながらも予防できる状態にあります。5  米国企業のMSAセーフティー(MSA Safety)は、危険な状況にある労働者を保護する目的でエレクトロニクス、機械システム、高度な素材を用い、洗練された安全装置を開発・製造しています。日々、2,500~3,500万人の労働者が MSA の製品を使用しており、同社は消防士用の呼吸具や保護具、および工場・建設作業者の頭部保護具を含む製品群全体において、市場のリーダー的存在です。また、クラウド技術を使用した、さらに高度な製品の販売計画もあります。労働者の安全は重大な使命であり、同社の主要事業は、SDG 8「働きがいも経済成長も」にしっかり沿っています。

米国のジェンテックス(Gentex)もまた、人々の身体的な安全の保護を目指しており、自動車産業用安全機能に特化しています。同社製品には、毎年約130万人の予防可能な死亡の原因となっている事故の減少を目指す自動・非自動調光バックミラーや調光可能ガラスおよび、防火製品などのイノベーションを含みます。6  自動調光ミラーは危険な光のまぶしい反射を排除するのに役立ち、運転者の可視性を高めており、ジェンテックスはこれら製品の世界的な大手プロバイダーであるだけでなく、航空業界や防火業界向け事業も運営しています。

自宅で安全を感じることは身体・精神的なウェルビーイングの根本的要件であり、これには私たちの誰もが共感できます。米国企業のアラーム・ドット・コム(Alarm.com) は「スマート」な居住用・商業用建物におけるクラウドベースのソリューションを通して安全を実現するべく、新たな方法を開発しています。ガス災害、水災、火災などの危険をリモート監視する能力に加え、留守中の建物内でも手動操作なしでエネルギー節約モードを制御する能力が加わります。

新たな技術の開発は一般的にウェルビーイングにポジティブである一方、新たなリスク要素も生みます。自宅だけでなく、金融、身辺、旅行、位置情報サービスへのサイバー攻撃に対し脆弱な、暮らしのあらゆる面が確実に保護されるよう、GBグループ(GB Group) のようなサイバーセキュリティ企業が不可欠になります。英国を拠点とする同社は、世界でおよそ20万の組織にデジタルデータリスク管理ツールを提供しています。世界のパートナーと共に構築した整合性の高いデータベースが同社の強みであり、これにより GBグループは世界中で44億人を検証するのに必要なパワーと能力を得ています。同社はまた、データセキュリティ関連で最も厳しい規制管理に準じなければならない金融サービスセクターからも大きな売上を上げています。

コミュニティの健康を発展させるには感染症予防が不可欠であり、特に良質かつ手頃な価格の医療へのアクセスが限定されたコミュニティではそうです。 ユーロフィン・サイエンティフィック(Eurofins Scientific) は、50カ国で運営する900以上の企業を抱える国際的な分析試験グループです。食料品、水、環境、製品品質の包括的な試験能力をとおしてSDG 3(「すべての人に健康と福祉を」)に著しい貢献をもたらす同グループは、世界中で安全とウェルビーイングの推進に貢献しています。

スカン(SKAN) は、臨床的安全性のもうひとつの面を促進しています。スイスを本拠とする同社は、高度な注射剤やバイオ医薬品の無菌開発を可能にするアイソレーター(振動・騒音の絶縁装置)や「クリーンルーム」装置を提供することで、SDG 3を支援しています。同社の機器の利用対象には、既存および開発中の高価値抗がん剤、細胞治療および遺伝子治療、ホルモンおよびワクチンが含まれています。これらの薬や治療の高い有効性は、人体の防衛機能を迂回する到達方法に左右されるため、安全かつ効果的であるためには無菌かつ厳重に管理された機器が必要になります。バイオ医薬品のような、開発中の薬剤や治療は、生体内での作用が従来の薬剤とは異なり、しばしばDNA技術を使用しており、より広範な疾患を予防・治療する可能性を提供します。7

ゴドレジ・コンシューマー・プロダクツ(Godrej Consumer Products) は、広範な個人用・家庭用ケア製品をとおして全体的なウェルビーイング追求に向けた防衛ラインの提供を支援するメーカーです。インド・ムンバイを本拠とする同社の最も重要な事業分野には、マラリア、デング熱、チクングニア熱、黄熱病、ジカ熱などのベクター媒介病からの感染予防を目的とした、蚊を対象とした殺虫剤やネットがあり、重要な役割を果たしています。熱帯および亜熱帯地域におけるこれら疾病の罹患率は、世界で最も貧しい人々に大きな影響をもたらしており、2020年だけで62万7千人がマラリアで死亡しています。8 ゴドレジは、最も被害が大きい地域に防蚊剤および家庭用殺虫剤を提供して貢献しており、インドとインドネシア向けでこれら製品販売の75%を占めます。同社はベクター媒介病の予防プログラムの開発および実施も行っており、これらの予防可能な被害へのさらなる対応に一役買っています。

病虫害の流行予防は、害虫駆除や衛生を事業とする レントキル・イニシャル(Rentokil Initial) が取り組んでいる闘いでもあります。世界保健機関(WHO)は世界のあらゆる感染病の17%以上がベクター媒介病であるとし、これらの多くが保護措置をとおして予防できることを示唆しています。9  英国を本拠とするレントキル・イニシャルは、害虫駆除および衛生サービスの世界的リーダーであり、売上高の85%を両分野の主要事業であげています。これらの事業は、都会のスプロール現象、密接して生活する人々の増加、気候変動などの影響により、ますます不可欠になると見られています。同社は、新たな市場に良質の衛生ソリューションへのアクセスを提供するための強力な取り組みを行っています。

多様なニーズと資源の不均一な存在という問題をもつ世界の人々にウェルビーイングと安全を提供することは、多面的で微妙かつ複雑な問題であり、投資家として私たちはそういった問題を解決する責任があります。上述の企業は、私たちがこれらを達成する上で利用できるすべての投資機会を代表するわけでは決してありませんが、ソーシャルプログレスや、地域や富に左右されない世界中のコミュニティの安全に投資することは、望ましい方向へのパワフルな力となり、地球の将来に向けた重要な投資となる可能性があります。

 

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